タイの観光地・ホアヒンで先日、日本人観光客30人が酒に酔い全裸でビーチに出現したことが国内外のメディアによって報じられた。中国メディア・環球時報は10日、この件について当初中国人観光客が不幸にも「やり玉」に挙げられたと報じている。


 記事は、今回の騒動が発覚した発端が、現地ネットユーザーによってツイッター上に掲載された画像だったと紹介。画像には成年男性とみられる集団が裸になって騒いでいる様子が見て取れるが、現場からやや離れており、ぼやけたものだったと説明した。一方で、このユーザーは「友人と食事をしていたら、中国人男性数十人が服を全部脱いだ。もう食欲なんてなくなってしまった」とのコメントを残したとしている。

 さらに現地ユーザーの間で騒動になるなか、現地警察が「裸で騒いでいたのは日本からの観光客一行」と発表、当事者たちは全裸で大騒ぎしたうえその様子をSNSサイトにアップロードしていたとする現地メディアの報道を伝えた。そして、事実が明らかになると現地ネット上では日本人観光客に対する批判の声が飛び出す一方で、「問題の写真」を発表したユーザーが「どこの国の人かはっきり分からない状況で中国人と言ってしまったことに対して、中国の皆さんに心から謝ります」と語ったことを併せて紹介した。


 タイのネットユーザーがなぜ「中国人」と思い込んだかについては、今さら言うまでもないだろう。これまでに中国人観光客によるタイ国内観光地でのマナーの悪さが散々報じられ、国内外のネット上で「ネタ」にされてきたからである。実際そういう「事件」が頻繁に発生した以上、そのような印象を持たれてしまうのは致し方ない部分はあるが、「マナーに反する東アジア人イコール中国人」と条件反射的に思い込んで疑わない状態は由々しき事態である。

 中国人にもモラルのある人とない人がいるし、日本人だってマナーを守る人とそうでない人はいる。その割合は関係ない。「マナーが悪いのは中国人」、「マナーがいいのは日本人」と決めつける姿勢は改めなければならない。
(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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