興味が違えば、旅行に行っても人によって見る視点が異なるものだが、中国メディアの今日頭条はこのほど、「消防士の目から見た日本」と題した記事を掲載し、日本の消防用設備について紹介した。

 中国で消防士をしているという筆者は、訪日の際に職業柄か、「どうしても消防用設備に目が行ってしまった」というが、それも無理はないだろう。
では、日本と中国の消防設備にはどんな違いがあるのだろうか。

 記事がまず指摘したのは、室内消火設備だ。ホース格納庫を開けてみたところ、ノズルとバルブに、コストはかかるが耐久性のある「ステンレス」が使用されていたという。同様に連結送水管も「違いはやはり質にあり」、すべてステンレス製で、そばに案内図が明示され、緊急時にすぐ使用できるようになっていると、細かな配慮がされていることを評価した。ちなみに中国ではノズルやバルブには鋳鉄が使用されていることが一般的だ。

 さらに、屋外消火設備の違いについて、日本では消火栓はほとんどが地下式で道路の地下に設置されていると紹介。
そのため、場所を示す「消火栓標識」が必要だが、道路わきに赤で目立つように設置され、場所と距離を示す矢印により一目でわかるようにしている細やかな配慮を称賛した。

 また、緊急時に消防隊がはしご車を使って救出作業をする時のため、窓に貼られている「消防隊進入口」のマークについても、日本では徹底して実施されていることも高く評価。中国にも同様の規定があるものの「従っているケースはまずない」という。確かに、中国で消防隊進入口を見かけることはほとんどない。外観を損なうからのようだが、万が一の時のための重要なマークを省略してしまって良いものだろうか。

 さらには、ホテルの外にあった貯水槽が美しかったこと、街中で偶然見かけた消防車が「異常なほどきれい」だったことなども絶賛した。
日本に住んでいても普段は気が付かないことばかりだが、日ごろから有事の際を想定した用意ができているというのは心強い。日本人の注意深さとまじめさをよく表していると言えそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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