全国の高速道路に番号を付ける「ナンバリング」と、その番号が入った標識デザインの案が、国土交通省の検討委員会から示されました。シンプルでわかりやすくすることが重視されています。
国土交通省は全国の高速道路に番号を付ける「ナンバリング」を導入する方針を固め、2016年9月14日(水)、同省の「高速道路ナンバリング検討委員会」(委員長:家田 仁 政策研究大学院大学教授)がまとめた検討案を示しました。
高速道路ナンバリングは、国交省によると訪日外国人をはじめすべての人にわかりやすい案内を実現するための施策であるといいます。対象は東名高速や東北道など、高速道路網の骨格である高規格幹線道路すべてと、それを補完して地域の道路網を形成する東京湾アクアラインや京滋バイパスなどの路線、空港、港湾、観光地とを結ぶ日光宇都宮道路や播但連絡道路などの路線です。なお、すでに番号が割り振られている首都高や阪神高速などは除外されます。
高速道路へのナンバリング案(画像出典:国土交通省)。
ナンバリングに際しては、地域でなじみのある国道番号を活用し、かつ、シンプルでわかりやすくすることを重視。原則として、高速道路であることを表す「E」(Expressway の頭文字)と、1~2桁国道(1~58号)に並行する高速道路には基本的にその番号が付けられ、さらにそれに並行する高速路線には「A」が末尾に付番されます。
たとえば、国道1号に並行する東名高速、名神高速は「E1」、それに並行する新東名高速、伊勢湾岸道、新名神高速は「E1A」。国道4号に並行する東北道は「E4」です。国道19号に並行する中央道の西側(小牧JCT~岡谷JCT)と長野道は「E19」、国道20号に並行する中央道の東側(高井戸IC~岡谷JCT)は「E20」など、道路名が同じでも複数の路線番号にまたがるケースもあります。
並行国道の番号が3桁である場合は、59番以降の数字が都道府県コードや市区町村コード順に基づき割り振られます。外環道や圏央道、東海環状道などの環状道路には、先頭に「E」の代わりに「C」が付けられます。
ナンバリングの表示デザイン案と標識におけるおよびレイアウト案(画像出典:国土交通省)。
標識におけるデザインは、「コンパクトな形状を用いて、路線番号をできるだけ機能的に表現する」方向で検討。地図やカーナビなどにおける表示方法や読み方などは、国がガイドラインを策定するなど、一定のルールを設けるべきとしています。
2020年までの早期に効果が発揮されるよう、コストを考慮しつつ、計画的に標識を整備していくものとし、民間企業には地図、カーナビ、ウェブサイトなどにおける路線番号表示を速やかに実施するよう強く期待するとしています。
国交省はこの高速道路のナンバリングに関して、10月4日(火)まで一般から意見を募集中です。