flumpool 「キミがいたから」は家族に向けて書いた見守る愛を歌った曲/インタビュー

■New Single『夏よ止めないで ~You're Romantic~』インタビュー(2/3)

――インタビュー1より

「ふるさとの家族に向けた気持ちをこの曲では伝えられると思って」(隆太)

――2曲目の「キミがいたから」は、歌詞が禅問答のようだなと思ったんです。<愛とはつまり 触れないことで 掴むのかもしれない><夢とはつまり諦めることで 叶うのかもしれない>というのは反語的とでも言いますか。

隆太:なるほど。実はこれは、家族に向けて書いた、見守る愛を歌った曲なんです。ふるさとの大阪でライブをするし、すごく夏っぽい曲だし、ふるさとの家族に向けた気持ちをこの曲では伝えられると思って。身内に向けて言葉を発するのは照れ臭いので、僕は本来苦手なんですけど、それができるのも夏の力なのかな?って。子供はどんな親にとってもかわいいものだと思いますけど、自分の手元だけに置いておくというのはちょっと違って。時には突き放すことも大事だったりするじゃないですか? そういう親の愛情を自分はどれぐらい受けて来たんだろう?と考えたんですよ。上京する時も止めずに……親としては「実家にいて欲しい」という想いもあったはずなのに。その時は、僕を応援して送り出してくれる強さ、愛情には気付かずにいたけど、年を重ねてみるとわかって来るんですよね。親にとっての夢は子供にとっての夢とは違う。「そばにいて欲しい」という自分の夢を諦めることで、この子が幸せになってくれればいいと。そういう愛情ってあるよなと思って書いた歌詞です。

――なるほど、そうだったんですね。ふるさとでライブをするというのもきっかけだとは思いますが、これまでは歌って来なかったことをあえて今回歌おうと考えたのはなぜでしょうか?

隆太:世代を繋ぐことについて考えたというのもありますね。自分たちが年を重ねていくにつれておじいちゃんおばあちゃんも亡くなっていくし、昔を知らない人が多くなっていくというのもありますし。親から子供へという縦の繋がりがすごく薄くなってる気もするし。例えば、flumpoolがビートルズの曲をカバーした時に親子の会話が生まれるというのってあると思うんですよ。そういう身近な話題から、すごく遠い(昔の)話まで、会話で繋がっていくことで何かが大きく変わって来ると思う。だから、今こそ、そういう絆はすごく大事なんじゃないかな?と思っています。

――この曲にも、風の通り抜けていくような心地よさがありますが、一生さんは作曲時、どんなイメージを思い描いていたのですか?

一生:この曲も「夏よ止めないで~」と同じ時期につくっていたんです。だから、両方とも夏をイメージしていたんですが、どちらかというとこの曲のほうが風が吹き抜ける野外の感じがあるかも。あちらが海だとしたら、こちらは空とか、まさに大泉緑地のような場所で風が吹く感じ。サウンド的にはアコースティックなんですけど、ラテンっぽいパーカッションやマンドリンが入っていてちょっと大人な夏のイメージですかね。

――編曲が皆川真人さん(flumpoolのライブサポートもしている)ですが、歌を引き立てるアレンジでありつつ、大サビ直前のピアノのフレーズもとても良かったです。

一生:間奏のあのピアノだけになるところは、僕からは特に何も言っていなかったのに、ああいう風に皆川さんが弾いてくださったんです。かなり素晴らしいと思ったので、さすが、センス抜群だな!と思いましたね。

誠司:僕はこの曲を最初に聴いた時、「夏Dive」とアレンジが似ている要素もあるんですけど、あれをもっと成長させて、30歳の大人が歌う楽曲にしたような感じだなと思いました。ノリのいい曲ですけど、「夏よ止めないで~」とは逆に、Bメロがフワッとしている感じ。聴き比べて見るとその対比が面白いなと思いましたね。ドラマーとしてはゴチャゴチャしないようにと心掛けてプレイしました。

元気:こういうアコースティック寄りな感じの曲は、『FOUR ROOMS』の軸足感が一番あるなと。あの作品を出してからの夏曲、という感覚が一番感じられるのがこの曲だと思います。ライブでは楽しめそうだなと思っています。

――2曲ともに“虹”という言葉が歌詞に出て来るのは偶然ですか?

隆太:偶然ですね。この間読み返してみて自分でも初めて気付きました。

――虹を追い求めても辿り着かないという切なさが、2曲に通底しているように感じてしまうんですが、いかがでしょうか?

隆太:どうなんでしょうね? 僕は、夏って何かに“リチャレンジ”させてくれる力があると思うんですよ。例えば、失恋して恋するのが怖くなった子が、もう一度この夏に掛けてみよう!と思えたり、昔路上ライブで夢見ていた僕たちも、今大人になって、自分たちの選んだ道を改めて見つめ直し、もう一度外に向かってチャレンジしてみよう!とか。自分で自分の道を選択する、その背中を押してくれるのが夏の力。それが自分たちにも今必要だし、そういう人って他にもたくさんいるんじゃないかな?と思うんです。失敗してトラウマを負って、その傷をも抱えながら次に進む……それは、大人になればなるほど大事なのかな?と思っていて。

――今の年代の皆さんだからこそ、説得力を以って放てるメッセージかもしれませんよね。 10代、20代の頃と比べて、いろんな経験を積み重ねて来ているわけですから。

隆太:10代なんて、何回でも無限に失敗できると思うんですけど、30代になると失敗していい回数は確実に減っていくんですよ。そういう面では、僕らが今そういうことを歌うと、「あ、わかるな」と思う人はいるんじゃないかな?という気はしますけどね。

flumpool 「キミがいたから」は家族に向けて書いた見守る愛を歌った曲/インタビュー
夏よ止めないで ~You're Romantic~【初回限定盤】

――スペシャル・トラックの「Let Tomorrow Be」は、インドネシアの特撮ヒーロー番組『BIMA-X』のエンディングテーマとしての書き下ろしとのこと。内容が想像もつかないのですが、日本とは全然違うのですか? 

一生:いや、『BIMA-X』のインスピレーションにもなっている『仮面ライダー』のような感じですよ。「この曲に『仮面ライダー』とか大丈夫かな?」と僕自身は不安でしたけど(笑)。

隆太:でも、先方からは「こういう曲がいい」という要望があったんですよね。

一生:そうなんですよ。

――ロック感が強くて疾走感があるカッコ良い曲ですよね。子供も観るでしょうし、異国の文化に浸透して行く意味でも意義が大きい作品ですよね?

隆太:ありがたいお話ですよね。僕らもライブをしにインドネシアへ行ったことがあるんですが、今、インドネシアではJリーグなども含めた日本文化が流行っていて、その一つとして『仮面ライダー』のような特撮モノも人気があるらしくて。僕自身前は詳しくなかったんですけど、日本文化が根付いている、親日の国なんです。日本とインドネシアがお互いに音楽を通してもっと知り合っていけるといいですよね。

「あそこでライブしたら、『俺、マジでヒーローになれるな』と思いました」(一生)

――このシングルをリリースした後すぐ、【FOR ROOTS】開催となります。会場の大阪・大泉緑地で撮影されたアーティスト写真を見ましたが、実際に足を運んでみて、何を感じましたか?

誠司:撮影に行ったのは5月ぐらいだったんですけど、ベタな表現ですが、すごくいい公園だなと改めて実感しましたよね。僕は生まれが大阪ではないので初めて行ったんですけど、まだ誰もライブをしたことのない場所で自分たちが音を出すんだ、ライブをするんだ、と実感できました。すごく音楽を聴きやすくて、人も集まりやすい環境だし、駅からは多少離れていますけど、居心地がいい場所だと感じましたね。

元気:高校の時ぐらいに行ったんですけど、当時のことを全然覚えていなかったので、何が変化したかも正直、わかりませんでした(笑)。初見の気分で、ただただいい公園だなと。僕らが行った後でステージの位置とかは決まったので、「どこでやるんだろう?」と想像しながら撮影していました。

隆太:滑り台などの遊具がある場所や、マウンテン・バイクのオフロードのコースはそのまま残っていたので、「昔よく遊んでたなぁ」と懐かしかったです。ライブをする芝生の広場は、昔行った時には飛行機を飛ばしたことがあるなと思い出したり。「こんなに広かったんだ!」と感じましたね。

一生:実際に行ってみて、「えー、ここでできるなんて、ヤバい!」と思いました(笑)。昨年もあの場所に地元の友だちとバーベキューしに行ったので。

隆太:いいなぁ。

一生:あそこでライブしたら、「俺、マジでヒーローになれるな」と思いました。最近、地元の友達があまり遊んでくれないので。あそこで(カッコいい姿を)見せたら、たぶん、「やっぱりコイツ、すごいヤツだな!」と思って、何かを取り戻してくれるんじゃないかな?と。だから、友達をめっちゃ大勢呼んでいます(笑)。

flumpool 「キミがいたから」は家族に向けて書いた見守る愛を歌った曲/インタビュー
夏よ止めないで ~You're Romantic~【通常盤】

――(笑)。今、本番に向けた準備はどのぐらい進んでいるのですか?(※取材は6月下旬)

隆太:ステージ(の設計)はだいたい決まっていますし、セットリストも固まって来ました。この曲ではどういうことがしたいという具体的なプランもほぼ決まって、あとは演出と合わせていき、総合的に仕上げていく感じです。

――1日目の“Day of Green”、2日目は“Day of Sky”と名付けられていますが、ガラッと内容が変わるんでしょうか?

隆太:いや、全く違うわけではないですけど、セットリストも変わったり、演出としてもちょっと変わったりすると思います。

――やはり、地元ならでの演出もあるでしょうか?
 
隆太:えっと……いや、まだ言えないですよ(笑)!

――インタビュー3へ

≪動画コメント≫


≪リリース情報≫
New Single
『夏よ止めないで ~You're Romantic~』
2015.08.05リリース

【初回限定盤】(CD+DVD)
AZZS-37 / ¥1,700(税抜)
【通常盤】(CD)
AZCS-2047 / ¥1,200(税抜)

[収録曲]
1. 夏よ止めないで ~You're Romantic~
2. キミがいたから
<Special Track>
1. Let Tomorrow Be
※以下、通常盤のみ収録
2. 夏よ止めないで ~You're Romantic~(Instrumental)
3. キミがいたから(Instrumental)
4. Let Tomorrow Be(Instrumental)
<DVD> ※初回限定盤のみ収録
・「SAKAI PerfecTV!」
・CDジャケット撮影などのドキュメンタリー映像

≪ライブ情報≫
【flumpool 真夏の野外★LIVE 2015「FOR ROOTS」 ~オオサカ・フィールズ・フォーエバー~】
会場:大泉緑地 大芝生広場(大阪府堺市北区金岡町128)
日程:
2015年8月8日(土)「Day of Green」
2015年8月9日(日)「Day of Sky」
※雨天決行/荒天中止
時間:
GOODS&FOODエリア開場 8:00(予定)
LIVEエリア開場 12:30(予定)
開演 14:00(予定)
終演 17:00(予定)
チケット料金:スタンディングエリア・シートエリア 6,300円(税別)
お問い合わせ:キョードーインフォメーション 0570-200-888(全日10:00~18:00)

≪関連リンク≫
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