GACKT 自分が男として、大人として、いかに成長できているか?が重要/インタビュー

■New Single『ARROW』インタビュー(2/3)

――インタビュー1より

ちょっと前を走っている自分が「オマエはそこで終わるのか?」って常に言うから、負けたくない

――それにしても、今回の曲は、歌の表現がいつにも増してすごかったです。決意を感じさせるパートがあったかと思えば、鎮魂の想いが滲んだり、挑発的だったり。
一体どうしたらこんなふうに歌えるのでしょうか?

GACKT:……その質問、何? (自らを指さしながら)歌手、歌手!(笑)

――失礼しました(笑)。と言いましても、やはり、どんどん表現の幅が広がっていますよね?

GACKT:そりゃあ、挑戦してるからさ。自分の歌の技術を上げるためのチャレンジもしているし。色気というのは、自分の日常生活から出てくるものだし。自分が男として、大人として、いかに成長できているか?が重要。それが色気に絶対繋がる。
若さという部分においては、若いヤツとその点だけで普通に勝負しても、勝てないよ。でも、例えば体力やスタミナという部分では補えるから、そこでは勝負できる。技術というところでは、今二十歳の子とボクを比べた時に……ボクは歌を3つの時からやっているから、もう40年ぐらいやっているわけだよね? それで負けちゃダメでしょ。誰にも追いつけない技術を手に入れるための努力は、当たり前にするわけで。こんなことを自分で言うのはこっ恥ずかしい話だけども、ボクの歌の特徴は何ですか?と訊かれたら、まずは、誰にも負けない圧倒的な歌唱力。エフェクターでは再現できないようなことも含めて、全てを技術で補えるだけのテクニックがある。
そう臆面もなく自分で言えるのは、それが“ある”と認識してやっているからなんだ。収録した歌とまったく同じように歌うことがボクにはできる。どこでどんなテクニックを使ってこの歌を表現しているか?ということを、自分で考えてやっているからさ。それは、「ただ気持ち良く歌えればいいや」じゃなくて、どこに何が必要か?ということを感じながらアプローチしているってことなんだ。その行為がすべて集約されて“歌”になるわけで。それを創った後でさらに、今度はその歌と同じように安定して歌えるよう、また練習するし。


――その探求の道は、果てしないですね。

GACKT:でも、それはプロとして当然なんじゃないのかな? ボクはもともと才能に溢れているタイプじゃないから、努力でそれを補うしかなかった。でも、ボクはそれがないからと言って別に自分がダメだとは全然思ってない。努力でやれるところまでやって、感覚でやっている連中とは圧倒的に違うものを身に付ければいいし。そうすれば、“やればできる”という構図が生まれるし、やった分だけ自分の体に入る、と実感できるから。みんな途中で辞めてしまうんだよ。
練習しなくなるし、歌わなくなるし、ある程度のレベルで止まるんだけど、ボクは止まらない。

GACKT 自分が男として、大人として、いかに成長できているか?が重要/インタビュー

――今のGACKTさんにとって、そのように挑み続けていく一番の原動力は何なのですか?

GACKT:もう一人の自分、かな。ちょっと前を走っている自分。「オマエはそこで終わるのか?」って常に言うからさ。負けたくないんだよね、自分の弱さに。別に特定の誰かに勝ちたいわけじゃなくて、自分の中にいるもう一人の自分に常に負けたくない。
それだけ。負けず嫌い王なんだよ、ボクは(笑)。

――だからこそ、到達点もないんですね?

GACKT:ない。だからしんどいし、苦しいし。『VISUALIVE』も(次がラストだと)自分で線を引いて、「とりあえずここまでは全力で走ろう」と決めたのも、だからこそだよね。その線を越えた後は、越えてから考えようって。
ゴールがないとやっぱり走るのがしんどいからさ。ボクはペース配分できないタイプだし、とりあえず自分で引いたラインまでは全力で走る。そう決めたから。

GACKT 自分が男として、大人として、いかに成長できているか?が重要/インタビュー

――「ARROW」で幕開けた後の『LAST VISUALIVE』の世界は、どのように展開していくのでしょうか? 現段階でどのくらいできていますか?

GACKT:内緒(笑)。まだまだ未完成な状態ではあるけど、「ああ、この曲どんどんいい形でできてきたなあ」とか、創っていて楽しいよ。例えば、今取り掛かっている曲では、まだ歌を録っていないけど、歌詞の中に和歌と現代語を混ぜるという面白いアプローチをしていて。最近、和歌をすごく勉強するようになっているんだけど、和歌ってすごいんだよね。耳で聴いた時は分からなくても、文字で見ると、「ああ、こういう意味なのかな?」となんとなく分かるし、やっぱり日本語って美しいんだよ。現代語は4/4拍子に合うんだけど、和歌は変拍子に乗せたほうが気持ちいい。変拍子に和歌を乗せて歌って、その後に現代語で(4/4拍子に乗せて)もう一回同じことを歌うと、不思議な聴こえ方をすることに気付いて、これは面白いなって。拍では取れない間、呼吸もあるしね。日本には面白い文化がいっぱいある。そういうアプローチは、今回の『VISUALIVE』の物語がなかったら、たぶんやらなかったことだと思う。和声楽を上手にロックの中に入れてあげると、パンチがあってエッジの効いたすごくカッコいい曲になる。あとはそれをボクの歌唱力でいかにクサくならないように持っていくか。「これはボクにしかできないだろうな」と思えるから、挑みがいがある。

――インタビュー3へ

GACKT 自分が男として、大人として、いかに成長できているか?が重要/インタビュー
ARROW【CD+DVD】

≪リリース情報≫
46th Single
『ARROW』
2015.10.07リリース

【CD+DVD】
GLCD-00010 / ¥1,800(税抜)
【CD】
GLCD-00011 / ¥1,200(税抜)

[収録曲]
1. ARROW
2. ARROW(Orchestra Ver)
3. ARROW(-Instrumental-)
4. ARROW(Orchestra Ver -Instrumental-)
<DVD> ※CD+DVD盤のみ収録
ARROW(MUSIC CLIP)

GACKT 自分が男として、大人として、いかに成長できているか?が重要/インタビュー
ARROW【CD】

≪ツアー情報≫
【GACKT WORLD TOUR 2016『LAST VISUALIVE』】
2016年3月19日(土)埼玉・三郷市文化会館 大ホール(※ファンクラブ限定公演)
2016年3月21日(月・祝)山梨・コラニー文化ホール(山梨県立県民文化ホール)
2016年3月26日(土)大阪・オリックス劇場
2016年3月27日(日)大阪・オリックス劇場
2016年3月30日(水)神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール
2016年4月1日(金)新潟・新潟県民会館 大ホール
2016年4月6日(水)兵庫・神戸国際会館 こくさいホール
2016年4月7日(木)兵庫・神戸国際会館 こくさいホール
2016年4月9日(土)青森・八戸市公会堂 大ホール
2016年4月10日(日)宮城・仙台サンプラザホール
2016年4月12日(火)神奈川・鎌倉芸術館 大ホール
2016年4月16日(土)長野・ホクト文化ホール 大ホール
2016年4月17日(日)石川・本多の森ホール
2016年4月21日(木)広島・上野学園ホール
2016年4月23日(土)岡山・岡山市民会館
2016年4月25日(月)福岡・福岡サンパレスホテル&ホール
2016年4月29日(金・祝)北海道・ニトリ文化ホール
2016年4月30日(土)北海道・ニトリ文化ホール
2016年5月10日(火)千葉・森のホール21 大ホール
2016年5月14日(土)愛知・名古屋国際会議場 センチュリーホール
2016年5月21日(土)愛媛・松山市民会館 大ホール
2016年5月27日(金)東京・東京国際フォーラム ホールA
2016年6月15日(水)熊本・市民会館崇城大学ホール(熊本市民会館)
2016年6月17日(金)宮崎・宮崎市民文化ホール 大ホール
2016年7月2日(土)埼玉・さいたまスーパーアリーナ
◎詳細:https://www.gackt.com/page/LVL/

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