テレビ朝日系の看板報道番組『報道ステーション』の古舘伊知郎が3月いっぱいでキャスターを降板。次期キャスターに、同局の富川悠太アナが着任することが8日、テレビ朝日から発表された。



 だが、この後任人事は一筋縄ではいかなかったようだ。対抗馬として最後まで登板がウワサされていたのが、フリーアナの宮根誠司だ。

 その宮根は昨年末、自身が司会を務めるフジテレビ系『Mr.サンデー』で、この後任問題について「ちょっと詳しいことは言えないんですけど、社長と大モメにモメました。社長とは、連絡が取れなくなっています。社長の行方がわからない」と、思わせぶりな発言をしていた。

 それと時を同じくして、その「社長」こと、宮根が所属する芸能プロ「テイクオフ」の横山武社長の都内自宅前で、民族派団体が街宣車を使った抗議活動を展開した。
もちろん、宮根の発言と、この街宣活動には関連性があった。街宣を展開した団体は、バーニングプロダクションを糾弾し続けている「大日本新政會」だったのだ。

「宮根は、ヤクザと癒着して“芸能界のドン”と呼ばれる地位まで成り上がったバーニングプロダクションの周防郁雄の言いなり。周防からもらったネタをスクープ扱いで自らの番組で扱うような、公私混同も目立つ。しかも、愛人との間に隠し子がいたことも発覚。そんな適当な男に『報ステ』のキャスターの資格はないということで、まずは事務所社長の自宅に対して抗議行動を起こしたんです」(大日本新政會関係者)

 宮根の事務所の社長を務める横山氏は以前、フロム・ファーストプロダクションという芸能プロの大阪支社で宮根を担当していた。


「フロム・ファーストの社長だった小口健二氏は、バーニングで郷ひろみのマネジャーを務めた後に独立。フロム・ファースト設立時、周防氏の横ヤリに泣かされたために、彼を信用していなかった。また、出版に興味を持っていた小口氏は幻冬舎の見城徹社長と昵懇の仲ですが、その後、見城氏は周防氏に急接近。小口氏は生前、『許せない』と悔しがっていましたよ」(芸能関係者)

 その小口氏は、糖尿病の悪化により、2007年11月に59歳の若さで他界した。その翌年3月に、横山氏は宮根を連れて独立。テイクオフを設立したことで、業界からは“裏切り者”とバッシングされた。


「小口氏が信用していなかった周防氏が、独立時の後見人のようなものですからね。周防氏を恐れて、関係者は面と向かっては言いませんが、さんざん陰口を叩かれていましたよ」(同)

 一昨年、元・モーニング娘。矢口真里が“間男騒動”での謹慎を経て、日本テレビ系の情報番組『情報ライブ ミヤネ屋』で復帰した際も、仕掛け人が周防氏だという情報が流れるや、大日本新政會は番組を制作した読売テレビ前で、番組を私物化する周防氏と宮根や、それを許した同局を糾弾する抗議行動を展開した。

「その年の暮れ頃から、宮根が『報ステ』のキャスターに、古舘に代わって就任するという情報が流れだしたんです」(テレビ関係者)

 古舘がキャスターを務める『報ステ』は、第2次安倍内閣発足以来、安倍政権に批判的なスタンスを取ったことから、安倍政権にすり寄っているテレ朝の早河洋会長と古舘の確執がささやかれ始めた。

「早河会長を安倍総理につなげたのは、テレ朝の放送番組審議会委員長を務めた幻冬舎の見城氏。
彼は宮根のバックにいる周防氏の忠実なブレーン。周防氏は宮根を『報ステ』のキャスターにしたいという野望を持っていた。それで、次期キャスターに宮根の名前が浮上していたんです」(同)

 テレ朝局内では「宮根がキャスターになったら、テレ朝の報道は終わりという危機感が高まっている」という声も聞かれていた。というのも、周防氏と見城氏のタッグの力で、宮根キャスター誕生の可能性は低くはないとささやかれていたのだ。

「だから、我々が横山社長の自宅に対して街宣車で抗議行動を起こしたんです。宮根が『報ステ』のキャスターにふさわしい器かどうかは、横山社長が一番わかっていたはず。
それに、横山社長自身についても、所属する女性タレントと親密な関係にあるというウワサや、それを印象付ける写真が流出するなど問題が多いとみています。我々のサイト)にも、彼の行状を告発する怪文書が届いている。今後も抗議活動を続けていきますよ」(前出の大日本新政會関係者)

 きな臭い動きにまで発展してきた『報ステ』後任問題は、ひとまず局アナで落ち着いたが、宮根とその周辺の“黒い目論見”は今後も芸能界に暗い影を落とし続けることになりそうだ。
(文=本多