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乙一の新作が発表される意外な場所とは? 同人誌『U-cafe』って何だ

2010年8月2日 11時00分

『U-cafe 弐 Side-A』表紙。乙一先生と同じ大きさで僕の名前が載っているのは締め切りを破った僕に対するU1の嫌がらせだと思います

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『GOTH』『暗いところで待ち合わせ』などで知られる作家の乙一が素人の同人誌に参加する、という珍しい出来事が起きている。寄稿先はU1(ゆういち)という人物が企画編集を手がける『U-cafe』の第二号。「U1って誰?」と思う人がほとんどだろう。それもそのはず、彼は極めて普通の22歳のサラリーマンなのだ。そんな彼が何故乙一と同人誌を作れるのか。ネット上でのちょっとした活動がきっかけになった。

『U-cafe』はネット上の募集で集まった書き手が決められたテーマに沿って小説や漫画、イラストで参加するアンソロジータイプの作品なのだが、そのテーマの決め方がちょっと変わっていて面白い。企画者のU1自らがUstreamで執筆企画についての放送をして、集まった視聴者からアイデアを募るのである。第一回の放送は今年の4月6日から10日にかけて行われ、第二回が5月31日から6月2日にかけて行われた。第一回目では7名だった書き手も今回は一気に31人に増えている。

「びっくり箱」とU1が表現するように、100人程の人間が思い思いに意見を書き込むので、一人では思いもつかないような設定が生まれてくる。たとえば「男」という登場人物を掘り下げていったら、最終的に「幼女恐怖症の30歳教師が幼女と一緒に暮らす」という物語のプロットが出来上がるのである。企画参加者はそうして生まれたアイデアを使い、自分の発想を付け加えながら一つの作品を完成させる。

執筆陣はネットで作品を公開している有名人から今回初めて小説を書いたという人までさまざま。ちなみに僕も「悪魔と幼女」というテーマを使って参加しています。締め切りを過ぎると連日のようにU1から催促のメールが送られてきて、企画に対するモチベーションの高さを感じました。

冒頭で触れたU1のネット上での活動というのがニコニコ動画でのゲーム実況である。動画が人気を博しネット上での知名度が高まった事で、今回の企画に思い至った。乙一はゲーム実況動画のファンだったのである。昨年の12月12日、乙一の出演するニコニコチャンネルGTVの「中野ゲームショウ」にU1が出演したことから交流が生まれ、元々乙一のファンでもあったU1が是非企画に参加して欲しいと頼み込んだ。いくら乙一さんがゲーム実況のファンでも、プロ作家が一介の素人が作る同人誌に作品を書く、それもノーギャラで、なんてことがあるとは思えなかったので、U1から「乙一先生の参加、決まりました」という話を聞いた時は本当に驚いた。
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