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たまこともち蔵の恋する過程をまっすぐに「たまこラブストーリー」山田尚子監督に聞く2

2014年6月17日 09時00分

ライター情報:丸本大輔

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TVシリーズの「たまこまーけっと」では、常に明るく元気で周囲を包み込むような優しさが魅力的だったたまこ。映画「たまこラブストーリー」では、初めての恋を知り戸惑う少女というさらなる魅力も放っています。もちろん、みどり、かんな、史織、あんこの各ヒロインもさらに魅力的です。特に、あんこのセーラー服姿の破壊力ったら……。 (C)京都アニメーション/うさぎ山商店街

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ロングラン上映中の映画「たまこラブストーリー」
アニメファン以外にも自信を持って薦められる王道の青春ラブストーリーです。
山田尚子監督インタビューの後編では、実はヘタレじゃなかったもち蔵についても、深く掘り下げていきます。

(前編はこちら)

もち蔵のリアクションは、あれしかない

―――物語の前半はもち蔵がたまこを見ていて。告白の後は、たまこがもち蔵を見はじめる。でも、もち蔵は告白の後、何も行動に移せなくなるんですよね。
山田 そうやってあらすじを聞くと本当にシンプルな話ですよね。告白して、それを受けてどう答えるかくらいの話。ともすれば不安になるくらい(笑)。そんな作品を作らせてもらえて、本当に良かったなと思います。
―――シンプルであるがゆえに、ド直球のラブストーリーになっていると思います。
山田 個人的にはすごくシンプルなものが好きなんです。でも、映画として観てもらうものだから、いろいろな仕掛けがないとダメなのかなと思ってしまった時期もあって。悩んだりもしました。結局、プロデューサーや吉田さんがシンプルな方へと導いてくださった気がします。
―――告白されて戸惑っていたたまこが自分の気持ちに気づいていく過程では、おじいさんが入院するという、ちょっと驚きの展開があります。
山田 おじいちゃんが倒れた時は、私もびっくりしました。
―――「ちょっと! 吉田さん!?」みたいな?
山田 シナリオを読みながら鼻水が出ました(笑)。でも、たまこともち蔵のこれまでの関係を考えると、それくらいの事件が起きないと、変化しないんですよね。あと、もち蔵がカッコ良く見える瞬間が欲しかったんです。たまこがもち蔵をちゃんと見ようとするタイミングって、どういう時ですかねって話して、そういう展開を入れました。
―――たまこともち蔵の部屋を結ぶ糸電話はTVシリーズから存在していた小道具ですが、本作ではかなりのキーアイテムになっていますね。
山田 「たまこまーけっと」の元を辿れば、幼なじみ同士の淡い恋愛物って良いなと思っていた時もあって。TVの本編には活かせてない二人の間のエピソードはけっこうたくさんあったんです。糸電話もその一つ。元々は少し違うモチーフでしたが、デジタルではないアナログな二人の交信手段があるという設定はかなり前からありました。
―――では、本作で明らかになった、たまこがお餅を好きになったきっかけのエピソードもTVの頃からイメージはされていたものですか?
山田 はい。

ライター情報

丸本大輔

1974年生まれ。フリーライター。瀬戸内海で生まれ育ち、現在は東京の西側在住。インタビューを中心に活動。得意ジャンルは、アニメ、マンガ、サッカーなど。

URL:Twitter:@maru_working

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