先日TMR西川貴教氏が「あずにゃーーーん!」と「けいおん!!」最終回で叫んで話題になっていました。実は彼はかつてから相当な本数を見ている大のアニメ好き。
ところがそんな猛者である西川氏をして「乗っけの4分で"ナニカ"を越えました..」「凄いアヌメだ.. 日本のアニメの伸びシロを観た気がした.. 」と驚愕させるアニメが登場しました。
題名は「パンティ&ストッキングWITHガーターベルト」。「エヴァンゲリオン」や「グレンラガン」をつくっていたガイナックスの新作アニメです。
サイトを見ていただけるとおわかりになると思いますが、見た目はアメリカのカートゥーン調。「パワーパフガールズ」などを彷彿とさせる雰囲気です。パワパフ自体が「日本のアニメのようなノリの作品を作りたい」というコンセプトなので、一旦アメリカに行って戻ってきたような感じですね。

ところが中身が予想以上にとんでもない。第一話タイトルが「仁義なき排泄」と冠されており、ウ○コとゲロのオンパレード。しかもヒロインの金髪少女パンティ(注・名前です)は毎日男とセックス三昧。こりゃー西川氏が驚くのも納得です。
アメリカンでシモネタだらけとなると見る人を選ぶ作品になりそうですが、意外なことに大好評。止まらないテンション、かっこよすぎる音楽、センスのいいデザインとファンの心を鷲掴みにし、第一回放送後ネット上で話題が沸騰しました。


一見わざと安っぽいカートゥーン調にされているのですが、実はとても高度な作画が施されています。視点がびっくりするほどぐるぐる回り、前後左右上下自由自在に動き回るのでとにかく見ていて飽きない! キャラクターデザインも数種類存在してコロコロ変わるという凝りよう、尋常ではありません。配色にも極彩色な世界なのですが、かなりヒネって他にない独特の色合いが用いられています。
3DCGの技術も超逸品。2Dアニメとがっちり融合しており、どこまでが3Dかわからない! おかげでぬるぬるカメラが動く不思議な画面空間が完成しています。しかも音楽はm-floの☆Taku Takahashi。
ブレイクビーツな音楽がテンションをアッパーにします。
随所にマニアックなネタが多く盛り込まれているのも特徴。パンティが食われるトイレのシーンは映画「ドリームキャッチャー」のパロディですし、二話目のタイトルも「デス・レース2000年」から取られている、とスタッフ本人も語っています。探せば探すほど沸いて出てくるネタの宝庫なのです。
 
中身はというと、ぶっちゃけ何にも無いです。作り手も見る側も、とにかく頭を空っぽにして「すっげー!めっちゃ動く!」「わー!かわいー!」「キタネー!」と、コーラとポテチほおばりながらゲラゲラ見るのがベスト。
例えば彼女たちが天使に変身して「聖なる処女の柔肌に…」というセリフがあったのですが、「お前さっきまでセックスしてたじゃん!」とネットの各地でツッコミが入りました。監督はUSTREAMのコメンタリー放送で「あれは決まり文句だから」と全く意味が無いことを明言。つまり「考えるな、感じろ」ということなのです。シビレル!
暴走しすぎなアニメ「パンスト」、確かに楽しいのですがあまりにも暴走が激しいため不安に思う人もいらっしゃると思います。実際3回目放送分でトラブルがあった模様。「代理店の担当者から第3回放送分の局審査の結果報告があり驚愕。
これから監督たちに報告して相談することに。
」というツイートが公式で流れて騒然となりました。なんとか放映はされるようですが、一体何があったのか……というか、ない方がおかしいというか。
ギリギリアウトなテンションを、最高水準のアニメーション技術を駆使して、真剣に馬鹿なことをやるという信念! 放映前は首を傾げる声も多かったアニメだったのですが、やりたいことを貫き通した結果として異常におかしな、ある意味日本アニメ史に残る作品が完成してしまいました。ゲラゲラ笑ってみるもよし、繊細なテクニックに感動するもよし。「男好きなビッチガールよ☆」とあっけらかんと言うヒロインに萌えるもよし。

「グレンラガン」も作っている監督やスタッフによる本放送を見ながらUSTREAMでコメンタリーをする企画も定期的に行われるようなので、是非チェックしてみてください。(たまごまご)