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紳助「ウソをついたらあかん」この語りのうまさ、説得力

2011年9月1日 11時00分 ライター情報:米光一成

『紳竜の研究』 DVD2枚組。島田紳助が吉本の学校で行った特別講義がすごい。

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「この世界は儲かるで。だから夢があるねん。めっちゃ儲かるし、めっちゃ大きい家に住めるし、めっちゃいい女抱けるで。好きな車に乗れる。それががんばれるエネルギーやねんから」
場所は、NSC(吉本総合芸能学院)。
島田紳助が、喋っている。
「いっしょやった、昔は。いっしょいっしょ。パチンコ行って二千円負けて、なんでパチンコ行ってしもたんやろ、って半日悩んでたもん。いっしょいっしょ」
聞いているのは、漫才師の卵たち。特別講義だ。
「でも、夢が叶っていくと残念ながら夢を失っていってるから。たぶん君らとぼくが、一対一でお酒飲んで、夢を語り合ったら、残念ながら君らの勝ちやで。いっこだけ負けてるとしたら、それやな。それ思うと泣けてしまう」
そう言いながら、紳助の目がうるうるしてくる。
「10億で売ってくれるんやったら変わってほしいもん。だから、いっぱいお金持ってる俺が100パー君たちに勝ったと思ってへんねん。
な、何が負けてるか。夢の数、若さ、負けてんねん。神様が売ってくれる言うんなら、10億払う、お金なくなってもいい」
2007年3月12日、吉本総合芸能学院。2時間喋りっぱなしのラストだ。
「ということは、いまみんな10億円ぶん持ってんねんで。ただ、このまま50になったら何もなしや。だから、漫才は一回目。これがあかんかってもすべて終わるちゃうねん。でも一回がんばってみよ、いまの方法で。あかんかったら、違うことがんばろ。またんまだまだ大丈夫、夢がいっぱいやもん」

この特別講義は、DVD『紳竜の研究』に収められている。
「紳竜の証」と「紳竜の絆」の2枚組。
「紳竜の証」には、1980年から1982年、紳竜の漫才が15本収録されている。オーディオコメンタリーで、島田洋七の解説が入る。
「紳竜の絆」は、前半がドキュメンタリー。沖縄にいる紳助のところに竜介が倒れたという電話が入ってくる。紳助は大阪に戻る。というシーンからはじまる。
紳助は、50歳になったらコンビを1日復活する予定だったと語る。
「なつかしいネタをやるんじゃなくて、いまのリアリティでやりたかった」
つなぎを着て、50歳になった紳助竜介が、50歳のふたりとして漫才をやるという構想だ。
「おまえ人間かわってしもうた。あのころのお前はどこにいってん!ってツッコミをいっぱいウケながらね」

後半が、冒頭で紹介した特別講義だ。
「わかりやすくいうと0から5まで。才能も、努力も、0から5まで。

ライター情報

米光一成

ゲーム作家/ライター/デジタルハリウッド大学客員教授。代表作「ぷよぷよ」「BAROQUE」「想像と言葉」等。

URL:Twitter:@yonemitsu

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