MLBドラフト会議2日目が12日(日本時間13日)、米ペンシルベニア州フィラデルフィアで行われ、スタンフォード大の佐々木麟太郎内野手(21)がマーリンズから8巡目(全体235位)で指名された。昨秋のNPBドラフト会議でもソフトバンクから1位指名されており、大学残留を含めた進路は家族や代理人とも相談して決める。
安堵の笑みは一瞬だった。岩手・花巻温泉の会議室でMLBドラフト会議を見守った麟太郎。中継を映すパソコンの前には、米国での代理人や母もいたという。名前が呼ばれたのは13日午前2時半頃。マーリンズから8巡目指名だった。マネジメントをするナイスガイ・パートナーズの木下博之氏は、その瞬間を「一瞬顔がほころんだように見えたが、すぐにきりっとしたような目をした。無口になって意を決したような印象」と描写した。
注目の進路は、すぐには決められなかった。木下氏は「これからご家族、代理人の方々ともしっかりお話しして、決断するということでした」と説明した。MLB公式サイトによると、全体235位の契約金相場は23万9200ドル(約3870万円)。
ただ、麟太郎は大志を抱いて24年に海を渡った。花巻東3年時もプロ志望届は提出していない。選んだのは世界的にも超名門のスタンフォード大進学。渡米直前には「とにかく挑戦」と語った。名前の由来は幕末の偉人・勝海舟の幼名から。「自分も固定観念を取っ払って、自分自身の道を歩んでいく―。そういう生き方をしたい」とも語っていた。
幼少期から尊敬する「(大谷)翔平さん」がプレーするメジャーは間違いなく目標の一つだ。「8巡目となりましたが、本人としても真摯(しんし)に、前向きに受け止めていました」と木下氏。1年目の昨季は7本塁打だったが、今季は16発。
マーリンズとの交渉期限は米東部時間の27日午後5時(日本時間28日午前6時)で、ソフトバンクとの契約締結期限は今月末。今月上旬、ソフトバンクの施設は見学したが、これからマーリンズの施設を見学する予定はない。岩手県内に残って結論を出す。木下氏は「まだ彼には3つの選択肢がある。まだ何も決まってはいません。総合的に判断して、夢に向かってどこが一番成長できるかを考えながら」と語った。プロ入りを先送りして大学に残る道もある。日米から指名を受けた希有(けう)なスラッガーは、どんな決断を下すのか。(高橋 宏磁)
◆佐々木 麟太郎(ささき・りんたろう)2005年4月18日、岩手・北上市生まれ。21歳。
マ軍自信「楽観的に見ている」 マーリンズのフランキー・ピリエル球団副社長兼アマスカウト部門責任者が12日(日本時間13日)、オンライン取材に応じ、8巡目指名した麟太郎を「素晴らしい人間であることと、大きなパワーを持って、潜在能力もある。今後さらに伸びる可能性もある」と高く評価した。
大学入学後から調査を始めていたというマーリンズ。担当スカウトとは公式戦を約15試合、練習試合なども視察。実力に加えて人間性も高く評価し、入団を拒否されるリスクがあることを承知の上での指名で「私たちは現時点でとてもエキサイティングしています。
交渉期限は27日(同28日)。期限は迫っているが「彼は彼にとってベストな選択をするでしょう。そういう立場を自分で作り上げたのです。彼ほど優れた選択肢を持つ選手は多くありません。素晴らしい立場を築いた彼が、どんな決断をするのか、楽しみにしています」と期待を込めていた。
◆マイアミ・マーリンズ 1993年の球団拡張で「フロリダ・マーリンズ」としてナ・リーグに加入。ワールドシリーズを97、03年に制覇した。12年に現チーム名に変更。米屈指のリゾート地でもあるマイアミ中心部にある本拠地ローンデポ・パークは23、26年のWBC決勝の舞台にもなった。日本人では過去にイチロー、田沢純一が所属した。










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