ジェームス・キャメロン監督が、こうコメントしている。
“空前の出来、もはやこれは伝説だ”
おおお! フルCGアニメーション『キャプテンハーロック』

さっそく試写を観てきたよ!

フルCG作品を大別すると、フォトリアル系とデフォルメ系にわけられる。
まだフォトリアル系は珍しく、日本映画作品では『ファイナルファンタジー』(2001年)ぐらいしかない。
不幸なことに映画『ファイナルファンタジー』は興行的に大失敗。映画としても大不評。
なので、『キャプテンハーロック』予告編でファイナルファンタジーの悲劇を連想して、どうなんだろうと心配になってる人も多いようだ。

そこで、展開や演出はひとまず置いといて、CGや派手さはどうだったかを、映画『ファイナルファンタジー』と比較しつつ検証してみよう。


■製作費対決
『キャプテンハーロック』は、総製作費3000万ドル(約27億5000万円)。東映アニメーション史上最高額をぶっこんで作ったフルCGアニメーション!
だがしかし『ファイナルファンタジー』は、制作費1億3700万ドル(約157億円)。
『ファイナルファンタジー』の勝ち!
でも、製作費かけすぎちゃったから、ギネスブックにも載ってしまう赤字額になってしまったので勝っても嬉しくないかもしれない……。

■フォトリアル度対決
フォトリアルなもので心配なのは、「不気味の谷」を超えられるかどうかだ。
「不気味の谷」というのは、リアルに近づくと逆に微妙な違いが不気味に感じられる現象。
『キャプテンハーロック』、最初は、ちょっと「あれ? ゲームのオープニングCGのすごいやつ?」って感じの違和感がある。

でも、しばらくすると、その違和感は消える。
さすがにCG技術の進化していて、ハーロック凄いっす。
毛穴まで全部あるんじゃないかってフォトリアル度。
しかも、キャラクター的なデフォルメもしっかりとほどこされている。フォトリアルでありながらキャラも立ってるミックス加減もすばらしい。
とはいえ、今回、映画『ファイナルファンタジー』を観て驚いたのが、フォトリアル度クオリティの高さ。
すごい。駄作だって評判が強烈すぎてあなどってました。ごめんなさい。10年以上前のCGクオリティって、もうこのレベルまでいってたっけ?って驚愕。DVD『ファイナルファンタジー』はオーディオコメンタリィ、CGメイキングの特典映像つきなので、CGに興味ある人は実は観て損なしのオススメです。

■メカのかっこよさ対決
『キャプテンハーロック』の勝ち!
アルカディア号、かっこいい!
「ガイコツマークを船首につけた宇宙船」というアニメ的な設定のメカが、あれだけリアルに登場するのにはしびれる。

司令官イソラが乗っている「浮遊する車椅子」もカッコいい。

■エロティックさ対決
どちらの作品も色気があまりない。CGだと難しいんだろうか。
とはいえ、『キャプテンハーロック』には、シャワーシーンがあり、しかもヌードのまま無重力でぐるっと回転するという荒技をみせる。
よって『キャプテンハーロック』の勝ち!

■派手さ対決
これは、全編クライマックスという感じで進んでいく『キャプテンハーロック』の勝ち!
『ファイナルファンタジー』、なんでこんな地味な作品にしたんだろう(っつか、どうしてファンタジーモノじゃないのか)。

フォトリアルなCGに興味ある人、『キャプテンハーロック』公開9月7日、ワクワクして待たれよ。
(米光一成)