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飛び出す3Dは古いんだよ「ゼロ・グラビティ」で気絶しかけた

2013年12月20日 11時00分

ライター情報:米光一成

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『ゼロ・グラビティ』アルフォンソ・キュアロン監督作品。サンドラ・ブロック主演。ミッション・コントロールの声は『アポロ13』のエド・ハリス。

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2013年の映画ベスト3は、『風立ちぬ』(レビュー)『そして父になる』(レビュー『クロニクル』レビュー)で決定だと確信していたのだった。
しかし、『ゼロ・グラビティ』(公式)を体験してしまった。
1位! 10点、10点、10点、10点、まんてーーーん。

「2013年の映画」ってくくりを超えた。
今なら言える。全映画の中で一番すげぇ体験をしました。
全人生の中で、一番すげぇ体験をしました。
91分でよかった。
これ、180分とかあったら死んでたね。

緊迫しすぎて、途中で意識が飛んだもの。
ジョージ・クルーニーがひゅーってなっていくシーンのちょい前で(ネタばれしないように曖昧な表現になっております)頭のヒューズ飛んで、15秒ほど、あれ? この人たち何て言ってるの? 分からないよ。あっ、そうか、映像に集中しすぎていて字幕読んでなかった! って状態になってしまったもの。
3Dで体験してください。
3Dすごい。
いやあ、『アバター』を観て、「3Dすげぇ、でも映画に3Dはいらない。飛び出たーって意識してしまって映画そのものに集中できないし、目が疲れるし、ノーモア3D!」派だったのだけど、転んだ。
ちゃんとすれば、3Dすごい!
『ゼロ・グラビティ』の3Dは、飛び出るんじゃなくて、奥行き。
飛び出るところも、「ドーン飛び出ましたすごいでしょ!」という技術自慢時代を過ぎ、しっかり意味のあるちゃんと飛び出るべきときのみさりげなく飛び出るという「技術さりげなさ時代」に突入。(→「文章を書き終えたらチェックすべき17ポイント」【10】重複)
思わず「時代」とか大袈裟な言葉を使っちゃいましたが、本当に『ゼロ・グラビティ』以降は、そうなっちゃうでしょう。
『ゼロ・グラビティ』以前の3Dは、ちょっと凄いことができるってことではしゃいでたねーって感じになっちゃったもの。
なので、3Dは苦手だって人も、3D邪道って思ってる人も、ぜひ騙されたと思って3Dで観てください。

あ、もうどんな展開で、どんな映画なのかってのは書くつもりないというか、まだ興奮していて書けないので、そのあたりは、とみさわさんのレビューを読んでね→「宇宙ヤバイ。絶望の無重力アトラクション「ゼロ・グラビティ」を体験せよ」
いつもの「とみさわ節」を封印しながらも、興奮を隠せない力作レビューになっております。

って、映画ということを忘れ、体験としかいいようのない91分。
終わって、あ、お茶買ったのに一滴も呑んでなかった。

ライター情報

米光一成

ゲーム作家/ライター/デジタルハリウッド大学客員教授。代表作「ぷよぷよ」「BAROQUE」「想像と言葉」等。

URL:Twitter:@yonemitsu

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