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浅野忠信のあのシーン、途中まで本物を使っています「私の男」熊切和嘉監督に聞く2

2014年6月20日 09時00分 ライター情報:木俣冬

くまきり・かずよし
1974年北海道生まれ。97年、大阪芸術大学の卒業制作作品『鬼畜大宴会』が、
第20回ぴあフィルムフェスティバルで準グランプリを受賞。ベルリン国際映画祭パノラマ部門をはじめ、数多くの海外の映画祭に招待され、注目を浴びる。
以後も、その作品は、海外の映画祭に多数出品され、高い評価を得ている。
10年、『海炭市叙景』で、シネマニラ国際映画祭グランプリをはじめ、国内外で多くの賞を受賞。主な作品に『空の穴』『アンテナ』『揮発性の女』『ノン子36歳(家事手伝い)』『莫逆家族 バクギャグファミーリア』『夏の終り』などがある。

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6月14日(土)から公開の映画『私の男』。天災でひとりぼっちになった花(二階堂ふみ)を引きとった遠縁の淳悟(浅野忠信)。だが、養父と娘の関係を超えた、ただならぬ親密さに、周囲の目が厳しくなる。ふたりは逃げるように、故郷・北海道から東京へと移り住む。やがて、彼らの生活を脅かす人物が現れ、人生が狂いだしていく。桜庭一樹の小説を映画化した熊切監督に、主演の浅野忠信、二階堂ふみの俳優としての凄みを聞いた。
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───二階堂さんは、オーディションで決めたそうですね。会場に来た瞬間、「花がいる」と思われたそうですが、どういうところが花だったのでしょうか。
熊切 それは別作品のオーディションだったんですけど、たまたま制服で来ていた二階堂さんが、なんとなくぼんやり頭で描いていた花にすっとピントが合ったんです。たいていの俳優さんは、オーディションには、「おはようございます!」と元気に来るんですよ。皆が、事務所で教育された快活な応対をしている中、ひとり、不機嫌な美少女が現れたので、おや? と思って。話すと、何か芯がある感じがして。かといって、前に出ようとしない感じもあって。
ーー私、女優よ、的なものがない?
熊切 まったくなくて。でも、確実になんていうか、虚業である芸能界のことをすごく醒めて見ている感じがしました。ああ、絶対、この人と僕はいつか一緒に仕事をするなと思いました。
───なかなかそういう俳優っていないものですか?
熊切 なかなかいないと思いますね。まだ19歳ですからね。この後どうなっていくかこわくもなりますね(笑)。二階堂さん、すごく映画が好きなんですよね。
昔の映画をいっぱい見ているし、目指すところが、他の同世代の女優とちょっと違うのではないでしょうか。ぼくも、例えば、ヘルツォークの作品などを見ると、ぼくはまだまだ足りないと思うんです。向こうは、自分の作りたい作品のために、ほんとに船を山にもっていくようなことをする、伝説の人ですから。でも、本当に全てを犠牲にしてでもやる気になれば、映画ってそんなこともできるんですよね。
───今時の邦画を、見ている場合じゃないですね(笑)。
熊切 そこで、ちまちま嘘泣きしている場合じゃないですよ(笑)。
───あっさりした作品が多くなっている状況で、熊切さんは闘っていらっしゃると思います。『フィツカラルド』(船を山に乗せた映画)ではないですが、圧倒的なものが見たいと?
熊切 見たいですね。

ライター情報

木俣冬

『みんなの朝ドラ』5月17日発売。その他の著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』など。

URL:Twitter:@kamitonami

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