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男と女の関係なんて信じられない。世界を「逆転」させた映画が全米で話題

2014年7月30日 08時00分 ライター情報:青柳美帆子

8月1日までWEBで公開中の短編映画「Love Is All You Need?」。同性愛者が多数派、異性愛者が少数派という「逆転」の世界を描いたものだ。現在、この作品の長編化プロジェクトが進められている。

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「男は男を、女は女を好きになるのがふつう」
「男と女の関係なんて信じられない。地獄に落ちる」

こんな「逆転」した世界を描いた19分の短編映画がある。

タイトルは「Love Is All You Need?」(「愛こそすべて?」)。ビートルズの「All you need is love」をもじったもの。アメリカで製作された映画で、脚本はキム・ロッコシールズとデビッド・ティルマン。2011年に多くの賞を受賞した。
日本では、BS10のスターチャンネルの番組「It's SHOWタイム」の「海外新作情報 fromハリウッド」で7月25日に紹介された。7月26日から8月1日のあいだ、スターチャンネルのwebサイトで限定公開されている。(※8月1日追記:公開期間が8月8日まで延長)

主人公はカリフォルニア郊外に住む10代の女の子・アシュリー。
2人の母、2人の祖父、2人のおじ、そして弟が1人と、「完璧なアメリカの家族」の中で生まれ育った。
この世界では、同性同士が愛し合い、結婚するのが「ふつう」。男女が近づくのは政府が定めた「ブリーディング」の期間だけで、それ以外でも関係を持つものは「ブリーダー」「ヘトロ(ヘテロ)」と揶揄され差別を受ける。つまり、同性愛者が一般的で、異性愛者が少数派という「逆転」した世界なのだ。
アシュリーは、幼いころに「男性に惹かれる自分」に気づく。その思いが一般的に見て「おかしい」とはわかっていても、抑えることはできなかった。
学校生活の中で、女の子を恋愛対象にせず、男の子と仲良くしたがるアシュリーは、「ヘトロなのでは?」という疑いの目で見られ始める。アシュリーには好きな男の子ができ、彼と手をつなぐ。それを発見され、アシュリーはいじめを受け始める。
苦しむアシュリーに、教師は「子供のころの気の迷いだ。彼女でもつくればいじめはおさまる」と言い、母も「あなたが悪いんじゃないの?」と告げる。アシュリーの生活は息苦しさを増していくが……。

「当たり前」のものを入れかえて描くことで、現状の違和感に気づかせたり、皮肉る手法はSFなどではおなじみ。この「Love Is All You Need?」も、直接的すぎるほど直接的に「逆転」した世界を描いている。
アメリカでは、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスセクシャル)への差別や偏見が多い。もちろん、同性婚が認められるなど、マイノリティの権利も尊重されるようにはなってきているが、これは差別と偏見の裏返しだ。

ライター情報

青柳美帆子

フリーライター。1990年(平成2年)生まれ。オタクカルチャー・イベントレポ・明るいエロス・少女革命ウテナなどを中心に執筆しています。

URL:青柳美帆子のまとめ

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