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今夜最終回「ちかえもん」優香の“じじい転がし”はあの人仕込みか

2016年3月3日 09時50分 ライター情報:近藤正高
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NHK総合の木曜時代劇「ちかえもん」第7回(2月25日放送分)で、近松門左衛門(松尾スズキ)がついにプロポーズ! お相手は天満屋の遊女・お袖(優香)――

その前夜、近松は盟友・竹本義太夫(北村有起哉)とたき火を前に酒を酌み交わしながら「自分たちの書きたいものを書くべし、書くべし」と気炎をあげたものの、体を冷やしてすっかり風邪をひいてしまう。

翌日、近松が鼻をぐずぐずさせながら天満屋へお袖に会いに行く。お袖はいつものように近松を「じじい」呼ばわりしつつ、この日は何やかやと世話をやいてくれて妙に優しい。これに近松、すっかりのぼせあがり、勢いとくしゃみに乗じてつい「結婚してくれ」と口走ってしまった次第。いきなりの求婚に、思わず近松を突き飛ばして部屋を出ていくお袖だが、まんざらでもなさそうな様子。さて、二人のゆくえはいかに!? 物語は今夜8時から放送の最終回へと続くっ!
1978年公開の映画「曽根崎心中」。増村保造を監督に、宇崎竜童と梶芽衣子が徳兵衛・お初を演じた。橋本功演じる九平次の悪漢ぶり、天満屋の縁の下に潜りこんだ徳兵衛をお初が着物で隠す名場面のほか、ラストの心中の様子も現在人形浄瑠璃で演じられているものより近松の原作に忠実に再現している

……いや、さすがに締めが早すぎた。近松のプロポーズはドラマの本筋ではなく、あくまで一挿話にすぎない。それにしても、求婚したあと「言うてしもうたあ」と心のなかでつぶやくときの近松っつぁんの顔がすばらしかった。松尾スズキの顔芸ここに極まれり。優香のじじい転がし(じじい言うな)ぶりも、志村けんと長年コントを演じてきたたまものであろう。

ちなみに第7回は、最終回直前のファンサービスなのか、本シリーズ恒例の近松が歌う場面が3か所も登場し、前半と後半で「かあさんの歌」(1956年)、そしてくだんのプロポーズの場面では五木ひろしの「よこはま・たそがれ」(1971年)がそれぞれ詞を替えて歌われていた。

今回は客演陣もやけに豪華で、近松の母・喜里(富司純子)を診察する町医者に落語家の桂吉弥が、黒田屋九平次(山崎銀之丞)と結託する大坂西町奉行所の奉行と与力には漫才師のオール阪神・巨人がそれぞれ扮していた。桂吉弥と本作で万吉を演じる青木崇高はかつて朝ドラ「ちりとてちん」で同じ落語一門の先輩・後輩を演じた間柄だけに、久々のツーショットに興奮したファンも多かったのでは? オール阪神・巨人も今回のようにコンビで同じ場面に登場するのはなかなかレアのように思う。

先週放送の第7回はこんな話


「ちかえもん」第7回は、「喜里、越前に帰る」「徳兵衛、黒田屋の策略にはまりフルボッコ」、そして「近松、お袖にプロポーズ」と、最終回を前にてんこ盛りの内容。それでも詰めこみすぎの感は一切なし。

ライター情報

近藤正高

ライター。1976年生まれ。エキレビ!では歴史・科学からドラマ・アイドルまで手広く執筆。著書に『タモリと戦後ニッポン』(講談社現代新書)など。愛知県在住。

URL:Culture Vulture

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