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「真田丸10回」視聴率が下がっている理由を考える

2016年3月20日 10時00分

ライター情報:木俣冬

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NHK 大河ドラマ「真田丸」(作:作三谷幸喜/毎週日曜 総合テレビ午後8時 BSプレミアム 午後6時)
3月13日放送 第10回「妙手」 演出:小林大児
イラスト/エリザワ

最低で最高なのだ


まさかの北条と徳川の和睦。予想外のできごとに困惑する真田昌幸(草刈正雄)だったが、徳川家康(内野聖陽)に、自分たちのための城を作らせようとする。真意は、いずれ徳川と戦う時のためだが、当然、それは秘密。しかし、家康は一筋縄ではいかない。城を作る代わりに沼田領を北条に渡せと言い出した。

この苦境を打破する方法を、信繁(堺雅人)に考えるように命じる昌幸。信繁は張り切って、上杉景勝(遠藤憲一)の元へ出向き、真田が攻めたら上杉が撃退するという「戦芝居」をしてほしいと持ちかける。

梅(黒木華)に子供ができるは、作戦を任されるは、信繁、大活躍。

梅のややこ発言はサプライズ、上杉の城に単身乗り込み、16本の刃を向けられたシーンはスリリング、戦芝居のところもエキサイティングだった10回。にもかかわらず、視聴率は16.2%と10回中最も低い数値になってしまった。
幸い、BS放送の視聴率が4.7%と10回中、最高(ビデオリサーチ調べ 関東地区)。
地上波との状況が逆転という不思議現象が起きるのも、人を食ったようなことばかりするトリッキーな真田一家のドラマらしいではないか。
と、いいふうに捉えたいが、ひと足早くBSで見ても、本放送も見ればいいのに。日曜の夜8時からどこか出かけたりもしないだろし、ほかに見たい番組があるだろうか。
まったくじりじりするので、またしても余計なお世話だが、視聴率が下がっている理由を考えてみた。

ナレーション問題


有働由美子アナウンサーの語りは問題ない。むしろ、「あさイチ」でキャッキャと語らされている時よりも、ここでの知的な語りにホッとする。ああ、この人やっぱりアナウンサーとして優秀なんだと改めて思う。そうでなく、ナレーションの中身。

「この時の信幸は知る由もない」
「それはまだ先のこと」
「真田家に忍びよる危機をこの時の信繁はまだ知らない」

ついこの間までNHKでやっていたドラマ「ちかえもん」では「陳腐な言い回し」扱いされそうなフレーズが、「真田丸」10回では3連発。わざとやっているとしか思えないのだが、「ちかえもん」のようなツッコミがなく、高度過ぎて笑えない。
いや、ギャグではなくマジで、お年寄り視聴者のためにわかりやすくする配慮だとすると、4.7%の新手の視聴者の好むものと乖離する。

ライター情報

木俣冬

著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』、ノベライズ『リッチマン、プアウーマン』『デート~恋とはどんなものかしら~』

URL:Twitter:@kamitonami

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