今注目のアプリ、書籍をレビュー

0

大傑作「シン・ゴジラ」をオススメしたい人を考えてたら日本人全員になってしまった

2016年8月3日 10時00分 ライター情報:米光一成
『シン・ゴジラ』大傑作である。
中盤、ゴジラがおおおおっと○○シーンで、不覚にも泣いてしまった。
まったく泣くようなシーンではないのにもかかわらず、だ。
その後は、もう、「なんで泣いてるんだろう俺」状態で観続けた。
初日に観て月曜日には原稿をあげる予定が、興奮しすぎたのか、帰宅後、熱出してぶっ倒れて書けなかった。
いまでも、なにも書けない。
そもそも、予備知識なしで観るのが一番いい。
以下、なるべく内容にふれないように、「こういう人は観たほうがいい」とオススメしていこう。
写真は『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』 A4版全512ページの超巨大本だ。(9/20発売予定)

まず現場で働いている人たち。
『シン・ゴジラ』を知らない人にどういう映画なのか簡単に説明しろと問われれば、こう答えよう。
東京に現れたゴジラ。ゴジラと戦う日本。どう臨み、どう戦ったのか、そのプロジェクトの全貌を描く119分。
NHKのドキュメンタリー番組『プロジェクトX』の怪獣編です、と言っても過言ではありません。
様々な現場で、難問に直面した現場の人々がそれをどう乗り越え克服したかを描いた『プロジェクトX』『下町ロケット』スピリッツ満載の映画だ。
「怪獣映画を観るほどこどもじゃないしな」って思ってる働いてるおじさん、これはあなたたちの映画ですから、ぜひ。

そして政治ドラマを見たい人たち。
『シン・ゴジラ』でゴジラと戦うのは、日本政府だ。
美少女が怪獣と精神的交流をしたり、紙一重系の天才博士が大活躍したりしない。
大怪獣VS日本政府のガチ・シミュレーション映画である。
主要登場人物が、内閣関連の人たちだ。
内閣官房副長官・政務担当:矢口蘭堂(長谷川博己)。
内閣総理大臣補佐官・国家安全保障担当:赤坂秀樹(竹野内豊)
防衛大臣:花森麗子(余貴美子)
内閣総理大臣:大河内清次(大杉漣)
農林水産大臣:里見祐介(平泉成)
などなど。
これ観た後、政治家の顔を見るのがちょっと楽しくなる。

ああ、でもポリティカルな主張が濃いとイヤだなと持ってる人たち。
だいじょうぶ。
日本政府がどう動くか、ある種ゲーム的とすらいえるほど誠実にシミュレーションとして描いている。
会議シーンも続くが、ハイテンポなカットと、コントロールされた映像で、飽きさせない。
政治批判みたいな斜に構えた視線もあまりなく(笑いどころとしてちょいとあるけど)、どちらかというと凄腕のプレイヤーたちが集まった場合、こうなるよねっていう気持ちよさ。
なにかの政治的主張を求めたり、鈍重な政治ドラマを求める人にとっては、そこが物足りないと感じるかもしれないと思うほどだ。

ライター情報

米光一成

ゲーム作家/ライター/デジタルハリウッド大学客員教授。代表作「ぷよぷよ」「BAROQUE」「想像と言葉」等。

URL:Twitter:@yonemitsu

コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!

注目の商品