目立つのは、クールビューティーなトランペット吹き高坂麗奈のポンコツっぷり
好きな先生に恋人疑惑があがり、大ショック。
死んだ魚の眼ですっかりフヌケ。夕食のカレーはボロボロこぼす。
完璧だった彼女がここまで崩れたのは初。
「響け!ユーフォニアム2」2話。吹奏楽部崩壊といじめの傷跡
「響け!ユーフォニアム2」今回は水着回だけど、なんというか人間関係の問題がもつれすぎていて、それどころじゃなかった

水着でわいわい+麗奈めんこいパートが入ったのは、その分吹奏楽部内いじめ問題という、しんどい内容が描かれる回だったからじゃないかな。

パンドラの箱、2年生


1期では、完全にタブー扱いされ、フタをされていた2年生一斉退部問題
今回その顛末がほぼ明らかになった。

発端は昨年度の3年生が、さほどやる気がないエンジョイ勢だったこと。

練習はしないけど、発表会に出る時は3年生優先。
ガチで中学校から吹奏楽をやってきた1年生にしてみれば、たまったもんじゃない。
ここで1年生と3年生の対立が起きた。

元3年生からの風当たりが最も強かったのは、南中時代に吹奏楽部の部長だったフルート傘木希美(現2年)だ。
彼女は、真剣に練習する吹奏楽部作りのために、先輩たちに交渉を重ねてきた。
3年生は鬱陶しくなってしまい、彼女を完全無視。
それどころか、彼女が来ると教室からみんな出ていく、という露骨ないじめに発展。
にっちもさっちもいかなくなって、抗議の意も込めて、希美は退部した。

これを詳しく知っているのは、高校から吹奏楽部に入った、友人の中川夏紀(現2年、ユーフォ担当)。
夏紀は希美の話を全く聞かない元3年生に向かって、腹をたてて啖呵を切っている。
希美が辞めて以降、夏紀は気力激減。3年生に流されて一緒にさぼっていたことも。
今年度の滝先生体制に入ってようやく、練習を再開した。

残ったのは、オーボエ鎧塚みぞれ、トランペット吉川優子、チューバ後藤卓也など。
卓也はこの時のショックを特に引きずっている。
脱退事件の話になると必ず顔をしかめる。1年生に隠そうとする。当初は夏紀への態度もキツめだった。

なお昨年度、みぞれはメンバーにすでに選ばれていたため、一年生が一斉退部する際に誘われていない。

部内でのシカトや対立は、現実的にもよくある話だ。
「一学年挟んで対立」というケースは多い。「今までこうやってきた」という意識が3年生側にあり、1年生は自分の希望と現実のギャップに苛立つからだ。

1期で取った滝先生の教育


ぼくが教育現場にいた経験を元に、荒れた状態からの吹奏楽部の建て直しの流れを推測してみる。

誰かの悪口やいじめで、生徒たちがつながってしまっている場合。
優しく諭してリセットするのは、相当難しい。

だとしたら、「決して譲らない厳しい先生」仮想敵になる。
すると生徒たちは、部員の悪口どころではなくなる。矛先は全部先生に向く。

本気で生徒たちとぶつかっていけば、先生の意思を理解できる生徒は、絶対に出て来る。
「あの先生マジじゃないか」と広まっていった時、どんなに反発していた生徒でも、……まあ反発はし続けるけど。
でも「一員」にはなってくれる。

ものすごく長い目、「大人になったらわかるよ」レベルで見ないといけない教育だ。

この手段で生徒に対峙する時は、保護者の理解と連携が必須だ。でなければ、間違った噂だけが先に立ってしまう。
かなりハードな練習スケジュールを実施し、合宿にまで行っているので、滝先生は家庭への連絡がマメな可能性は高い。

視聴者でも1期の演奏シーンを見れば、部員のまとまりのなさがわかる。
滝先生は、吹奏楽部の2・3年生の人間関係をすぐ見抜いたのだろう。
彼が現2年生脱退問題を知っていたかどうかは描かれていない。
でも極端な話、人間関係がどうこうは「どうでもいい」のだ。
最終的にコンクールまでに最高の演奏ができればいい。担任の先生じゃないんだから。

彼は好かれるために何かはしていない。2期1話では部員女子に好かれていない、とはっきり示されている。
部員は彼に対して、好意じゃなく「教えてくれる人」だ、となれば十分。

それ以外は、先生が手を入れるところではないだろう。
生徒が勝手に解決していくのに、任せるべきだ。
今回の2年生・傘木希美復帰問題も、滝先生は知ってか知らずか、何もしていない。

受け身ではなくなった久美子


キモになるのが、主人公の久美子だ。
久美子は基本受け身人間。
素でぶつかってくれる麗奈と、苦しんでいる2年生には、積極的に突っ込んでいく。
1期4話では、練習をさぼっていた夏紀に声をかけ、一緒に吹くよう声をかけている。
それ以外は、どちらかというと一歩引いている。

2話で彼女が話すのは、希美、夏紀、みぞれ
原作では、プールで希美が久美子に話しかけている。
アニメでは久美子が希美に追いかけて話しかけた。
この差はでかい。久美子が能動的にぐっと成長した。

久美子は、心の地雷を(気付かずに)踏んで歩く子。現在連鎖起爆中。
一回トラウマ地雷が起爆すれば、あとは連鎖的に本人たちが解決せざるを得なくなるはず。

3話は闇の多いあすか先輩の話とあわせて、麗奈の恋模様も描かれるようで。
仲良し久美子と麗奈は、1話では恋人繋ぎ。2話ではお布団でハイタッチ。3話でもノルマをこなすのか?

今夜スタート「響け!ユーフォニアム2」青春はやり直せないことだらけだけど、1期を振り返ってみた

初回からタブーに踏み込んだ「響け!ユーフォニアム2」


(たまごまご)