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戦慄のほぼ実話「洞窟おじさん」完全版「お腹空くよりイノシシよりも、人が怖いんです」

2017年2月19日 10時00分 ライター情報:アライユキコ
子どもの頃に家出して以来、ずっと洞窟などで40年以上暮らした男の半生をおったドラマ「洞窟おじさん」。原作は、実在人物(加村一馬)の自伝とも言える「洞窟オジさん」(小学館)(→レビュー

もともと2015年7月にNHK BSプレミアムで放送されたドラマだったが、完全版としてNHK地上波に初登場。先週12日に全4話中の2話まで、残りの2話が本日(2/19)15時より放送される。
鳥は餌のミミズなどを置き、竹のしなりで、首を突っ込んで来た小鳥を弾いて獲ります鳥は餌のミミズなどを置き、竹のしなりで、首を突っ込んで来た小鳥を弾いて獲る(取り調べでの加山の図解もとに)
イラスト/小西りえこ

俺の家は洞窟だ


ドラマは、平成15年、56才の加山一馬(リリー・フランキー)が、自販機から小銭を盗もうとして警察に捕まるところから始まる。
取り調べにて、カツ丼と引き換えに自供がはじまる。育った「自宅」とは、なんと「洞窟」。当然それを信じない刑事。

「嘘じゃねー!俺の家は洞窟だ、俺の家は洞窟だ!」

取り調べで、語られた事実は壮絶だ。

群馬の山あいの貧しい一家に生まれた加山(原作では加村)は、6人の兄弟(原作では8人)の中でなぜか親兄弟から「臭い」だの「恥ずかしい」だのとつま弾きにされ、学校でも疎外される毎日。
親は、加山の飯だけ少なくし、文句を言うと折檻を繰り返す。
13才のある日、加山は父親の好物のマムシの干物(自家製)をこっそり食べてしまう。激怒した父親はさらなる折檻、母親も止めるどころかいっしょに折檻。

ついに加山は、唯一の友達である飼い犬と逃げるように家を飛び出した。

一週間かけて、たどり着いたのは、40キロ離れた銅山廃れゆく足尾付近。
グーグルマップによれば、群馬の大間々から、足尾まで徒歩で所要時間8時間40分と表示されるが、もちろん当時は未舗装、そもそも道があったかも怪しい。
たどり着いた山中の洞窟で、加山は一人(と一匹)で暮らして行くことを決意する。「洞窟おじさん」の誕生だ。

どうやって生きていった?


包丁や塩、マッチやスコップなど少しは持って家を出た。
枝や枯れ草で寝床を作り、かまどを組み、松ヤニで着火、火持ちのいいクヌギや山桜をくべた。当時の家の暮らしと、さほど居住環境は変わらなかったのかもしれない。皮肉にも、恨んだ父親の普段していたことを真似して、生き延びた。

最初は、カタツムリや木の実を食べ、沢の水で乾きを癒した。やがて、父親のように蛇やマムシを食らい、生き血を飲んだ。慣れてくると、罠や落とし穴でうさぎやイノシシを狩り、毛皮を纏った。「いくらでも時間はあるからよ」罠は自分で考えた。
うさぎの巣穴を見つけたら、二股の枝で、抑え込んで固定し、上から穴を掘り耳を掴む(取り調べでの加山の図解をもとに)
イラスト/小西りえこ

唯一の「友達」シロは、第1話の終わりで衰弱死してしまう。

ライター情報

アライユキコ

フリー編集者。『文学賞メッタ斬り!』(パルコ出版)『ふいんき語り』シリーズ(ポプラ社など)など。「エキレビ!」編集長。お酒とお笑い、演劇大好き。

URL:Twitter:@kaerubungei

コメント 5

  • 沙流 通報

    リリー・フランキーっていつの間に演技こんなに上手くなったんだと驚いた

    11
  • バーニー51 通報

    もしかしてライターさん、木ノ内みどりが出演していたと本気で思い込んでいるのか??

    10
  • 匿名希望 通報

    木ノ内さんじゃなくで、木内さんです。 ライターさんは間違ってないよ。

    8
  • 匿名さん 通報

    修正してんの?笑ってしまった。ここ読んでるんだね。 「洞窟おじさん」その当時、ワイドショーでいっぱいやってたから覚えてる。結構衝撃だったな。

    2
  • バーニー51 通報

    ↑私の投稿のあと、アライユキコさんか、編集担当者か知らないけどこっそり本文修正してますね。

    1
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