ママっ子男子はマザコンと違うと言われても女性が「どっちもナシ!」と思う理由

先日ある番組で、最近の20代前後の男性には「マザコン」ならぬ、「ママっ子男子」が増えているという情報が紹介されました。

ママっ子男子とは1人の人間として自立しながらも、母親と仲良しを公言する男性のこと。

母親と2人っきりで食事や買い物に行ったり、恋愛相談なんかもするのだとか。
これを受けてネットでは「マザコンと変わらない」と女性からの不満が噴出。「旦那がこんなんだったら考えられない」など、不安を抱く方もいたようです。
ママっ子男子とマザコンの境は曖昧ではあるものの、一方で多くの女性は結婚相手には家族を大切にする男性がいいなんてことも言いがちです。
依存がセットのマザコンは当然嫌としても、ママっ子男子と家族を大事にする男性は何が異なるのか。今日は変わりゆく息子と母親の関係性について考えます。


「ママが好き」はどうして嫌がられるのか


そもそも不思議なもので、「父親が好きな娘=ファザコン」より「母親が好きな息子=マザコン」のほうが、印象は悪くなりがちです。
異性の親が好きというくくりは同じではあるものの、なぜ心象が異なるのか。それは父親と母親の担う性質が違うからです。
具体的には、父親が大好きな女性(ファザコン)に抱く印象の多くは、父性愛不足とか男らしさへの憧れです。
“父性愛”“男らしさ”という言葉を使いましたが、これって実はとてつもなく曖昧なもので、他の男性でもクリアできそうに見えたりします。男らしさが年収に変換できるなら、どんな男性でも条件を満たすでしょう。

一方母親大好き(マザコン)の場合、抱く印象は母親への愛情に対する執着心だったり、生活への依存がイメージとしてあがります。

この場合母親への愛情は彼女でも担えそうですが、“生活の依存”となるとけっこう大変。
長年続けていた心地よい生活と、同じような生活スタイルや味付けを実現させるのは、他人である奥さんには至難の技だからです。
しかも味や家事力の場合、母親と妻の具体的な比較も可能。そうなってくると、妻側の立場はどんどん辛くなっていくわけです。

自立しているママっ子男子もきもいと思うのはなぜなのか


そして今回のママっ子男子の登場ですが、アピールポイントは「自立した1人の人間」を強調している部分にあるようです。
「友達親子」の派生のようにも感じますが、マザコンと違い自立しているママ好きだとしても、多くの女性がママっ子男子に批判的な目を向けているのが現状です。
そこには「ママが好きだろうが依存しようが、本当に私を一番に考えてくれるのか」という目線で見た時、どっちも自分を一番に考えてもらえなさそうな空気があるのが問題です。

逆をいえば、マザコンだろうが、最終的には母親よりも彼女を立てられれば、女性からドン引きされることはありません。
もともと「ママ」という響きには、未熟な子どもが使う単語という印象が多くの人の中にあります。そのため自立した男性を強調しつつも「ママっ子」という言葉を使うこと自体、結局は愛情の大きさは「彼女<母親」に落ち着くんだろうなと女性に思われ、「きもい!」と一括されてしまうのです。


息子のオンリーワンになりたい強すぎる愛情


「女はオンリーワンになりたがり、男はナンバーワンになりがたる」
こんな言葉をよく聞きますが、オンリーワンになりたがるのが女の性だからこそ、ママと自分を比較された時点で、女は萎えてしまうのでしょう。
そもそもママっ子男子やマザコン息子を作り出すのも女であることを考えると、そこにも「息子のオンリーワンになりたい」という強すぎる愛情があるようにも思います。
つまり「女は息子の一番になりたくて、パートナーの一番にもなりたい」という業の深さにも似た感情を持つからこそ、マザコンとかママっ子男子は生まれるのかもしれませんね。

(おおしまりえ)
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