はあちゅう「私はライターじゃない」に吉田豪が反論 肩書に対する考え方が議論に
画像は「はあちゅうオフィシャルブログ」のスクリーンショット

大学在籍中に始めたブログが注目され、現在では執筆やオンラインサロン運営など多岐にわたる活動をしているはあちゅうさんが「私、ライターではない」とTwitterに投稿し、それにプロインタビュアーの吉田豪さんが反論したことで、肩書についての議論がSNSで話題となっている。


はあちゅう「私はライターじゃない」 吉田豪「ライター枠の人だと思ってます」


きっかけは、はあちゅうさんが「NAVERまとめ」で、自身が「読モライター」(タレント性の高いライター)の一人としてまとめられていたことに対し、「私、ライターではない…」とTwitterでつぶやいたことだった。はあちゅうさんは、今年1月に刊行された文芸誌「群像」で短編3作を発表している。

はあちゅうさんの考えでは、作家は「自分の意見を書く」もので、ライターは「誰かの意見(自分以外に取材)を書く」ものといった違いがあるという。
そのため自身では「ブロガー・作家」と名乗り、肩書きがライターになっている時は全部修正してもらっているそうだ。

これに対し意見をぶつけたのが、数多くの著名人にインタビューをしている吉田豪さんだった。
吉田さんの解釈では、「作家」とは小説が本業の人であるため、「はあちゅうさんのこともライター枠の人だと思ってます」とツイート。
それでも、はあちゅうさん自身は「ライター」ではないと考えているという。


他の著名人も肩書について持論をTwitterで展開


吉田さんは自分の肩書について「ボクは大雑把に分類するとライターなんですけど、本業は何かと考えた結果、プロインタビュアーを名乗っています」とツイート。すると他の著名人が、「ライター」と「作家」の違いや、肩書全般について持論を展開していく。

能町みね子さんは、数多くの媒体でエッセイや漫画の連載をもっているにも関わらず「作家は名乗れないです」「自分で言うときは『自称漫画家』が多いです」と、大それた肩書を堂々と名乗ることに対して恥ずかしさがあると告白。

『残酷な天使のテーゼ』などを作詞した及川眠子さんも「私はヒット曲出すまで作詞家とは名乗れませんでした」とツイートし、肩書を堂々と名乗る人のことを「逆にスゴい」と評した。そして「作家」という肩書についても「たった3冊本出して時々文章書いてるくらいで作家と名乗れるほど、私は厚顔じゃない」と畏れ多いとしている。

数多くのヒット小説を手掛けている深町秋生さんもこの論争に参加し、プロ11年目になっても「作家」と名乗るのは「恥ずかしい」とツイート。自身のことを「ミステリ小説家」と濁しているのだという。そしてはあちゅうさんについてはそうした臆面や含羞がないために作家を自称していると推測し、「じつにスジが通っている」と評すものの、「彼女が作家とは全然思っていない」とコメントした。

津田大介さんは、自身もメディア・アクティビストを名乗っていることを例に、「ほかに誰も名乗ってない新しい肩書きを名乗るとこういう面倒なやり取りを回避できますよ」とひとつの解決策を提示している。

また、情報サイト「nanapi」などを手掛けたWebクリエーターの古川健介さんは、「文章を書く人の名称マッピング」を独自にまとめTwitterで公開。はあちゅうさんもオフィシャルブログで取り上げ、意味合いとして範囲が広いと思った「作家」という言葉を使ったとしている。ライターという職種を軽視したり、優劣があると考えているわけではないとも説明した。




Twitterなどネット上でもどんな人が「ライター」「作家」なのか、さまざまな意見が飛び交っている。
「私は創作する人は自分のカテゴリの中で全部作家に放り込んでるなあ」
「ライターは最も幅広い言葉で、『文章を書く人』から記者、小説家、詩人、学者…とか特定の分野を引いて残ったものという感じがする」
「ライターって名乗ればライターだし、作家って言っちゃえば作家だ」

他にも「いっそのこと全部『自称○○』にしよう」「肩書に対する潜在的な優劣があるからこういう議論が起こっちゃうんだろうな」といった声が上がっている。

また「作家(ハンドメイド)」と「クリエイター」、「カメラマン」と「写真家」と「フォトグラファー」、「技術者」と「エンジニア」、「アイドル」と「アーティスト」など、他の職種でも今回と同様の問題があると指摘している人もいた。

なお、はあちゅうさんは28日21時ごろ、プロフィールに「自称作家」と追記した。


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