
美容雑誌『VOCE』がウェブ版に公開した「女の市場価値はいくつまで?『男は普通の27歳と美人の33歳、どっちと付き合いたい?』」という記事に批判が殺到。2017年6月19日、編集部は記事を削除してTwitterで謝罪した。
女性を“モノ扱い”する表現に批判続出
「恋愛プロデューサー」の女性が執筆した記事で、「普通の27歳/美人の33歳、付き合うならどっち?」といった質問と男性からの回答を掲載した上で、男性が恋愛対象と思えなくなる女性の年齢を分析したものだった。
女の市場価値はいくつまで?「男は普通の27歳と美人の33歳、どっちと付き合いたい?」??
— VOCE(ヴォーチェ) (@iVoCE) 2017年6月18日
独身を謳歌しているうちに、周囲はどんどん結婚していき、いつの間にか合コンにも呼ばれなくなる……。こんな展開、怖いですよね????????https://t.co/bd6AoMkY1N pic.twitter.com/smwA16ab4h
年齢と容姿の条件を変えつつ3つの質問をしている。
最後の「ブスな27歳/美人の38歳、付き合うならどっち?」という質問に対する男性の答えとされるものは、以下のような内容だ。
「どっちも付き合いたくないです。38歳だと結婚のプレッシャーがすごそう」(33歳/飲料メーカー勤務)
「付き合うなら38歳、結婚なら27歳のほうかな。38歳の女性とこれから結婚するとしたら、子供のことを考えると猛スピードで色々進めなきゃ」(39歳/広告代理店勤務)
この記事に対して女性らから反発が多数あり、Twitter上では「女性は人間だよ? 何、市場価値って。物だと思ってんの?」「27歳も33歳もVOCEの主要購買層ですよね? その購買者の方々に対して『市場価値』などと物を扱うような言葉を使うんですか? 化粧は自分自身を楽しむためではなく異性のためにするものであるという価値観のもと、こんな脅迫じみた記事を載せるために雑誌を発行しているのでしょうか」といった書き込みが殺到した。
炎上の結果、サイトから記事が削除され、『VOCE』の公式Twitterアカウントは「今回の記事の件、不愉快にさせてしまった方がいたこと、心よりお詫び申し上げます。記事は削除させていたたき、今後はVOCEに相応しい記事制作を強化していく所存です」とツイート。しかし謝罪ツイートにも「不愉快にさせてしまった方がいたことが悪いのではなく、女を見下して商品扱いしたことと、年老いた女に価値はないと脅したことが問題なのでは?」といった声が寄せられている。
相次ぐ女性向け広告の炎上
『VOCE』の記事以外にも、最近では女性向けの広告が炎上するケースが多発中。今年5月には化粧品メーカー「ちふれ化粧品」が「仕事、家事、育児…。いつの間にか『女磨き』をおろそかにしていませんか?」と問いかけるウェブ広告を展開し、公式サイトにはいくつかの質問に答えるとユーザーの“女磨き度”が判定されるコンテンツも設置していた。この広告には「女磨きをおろそかにすることは何事だ、っていう脅迫的なトーンがあるよね。おろそかにしたっていいじゃん別に」「ちふれが女磨きをキーワードに脅迫するって、がっかりした」などの批判が続出。5月26日に広告は削除され、ちふれ化粧品は公式サイトで謝罪コメントを掲載した。
今年4月には動画メディア「C CHANNEL」で公開された生理用品・衛生用品の大手メーカー「ユニ・チャーム」による動画広告も炎上。「彼女の生理中に困ったことがある?」という男性を対象としたアンケートの結果が登場するなど、男性目線の内容になっていることに批判が殺到し、「生理中に色々不快なことがあるからこそ彼が気配りするというなら理解できるけど、なんで女性側が相手に対して気遣わなくちゃいけないの!? 全く理解できない」といった声が上がった。こちらも批判を受けて動画広告は削除され、謝罪コメントの掲載に至っている。