アリーナツアー、幕張メッセ公演の模様をお届け!
| Suga Shikao TOUR 2008 「FUNKAHOLiC」 | 2008.12.10(WED) at NHKホール |
「東京に戻ってきました!」
そびえ立つビルのシルエットを背景に、幕開けから立て続けに「NOBDY KNOWS」「バナナの国の黄色い戦争」といったアルバム『FUNKAHOLiC』からのアゲアゲ・チューンを連発したスガがそう叫ぶ。ライヴ前半にして、満杯のNHKホールは早くもほぼディスコ状態だ。
10月から約2ヶ月半。日々全国各地を熱く揺らせてきた【Suga Shikao TOUR 2008「FUNKAHOLiC」】は、スガ シカオというアーティストにとって、何度目かの挑戦の日々だったような気がする。今回のツアーを支えてきたのは、ライヴハウスを舞台にした07年の【FUNK FIRE】ツアーに続き、新たな面々による新バンド。アルバム『FUNKAHOLiC』完成時、「昨年の【FUNK FIRE】ツアーで手応えを感じた」とスガ本人は語っていたが、勢い重視のライヴハウス・ツアーならともかく、今回の【FUNKAHOLiC】ツアーは、グルーヴまみれにさせるだけでなく、“じっくり聴かせる”場面もキモとなるホール・ツアー。長年活動を共にしてきた敏腕ミュージシャンによるバンド、Shikao&The Family Sugarの作り出す濃密なグルーヴに身も心も慣れまくっているファンを前にして、新バンドの鳴らす“ファンク”をどう魅せ、どう聴かせるのか?!
その辺りの好奇心をかき立てる新バンドの可能性を目の当たりにしたのが、ギタリスト、田中義人とスガの2人だけがアコギ&ガットギターで奏でる「黄金の月」。あの鳥肌が立つほど叙情的なアコースティック・シーンは、キーボードではなくギターでリードしていく新バンドならではのスペシャルな場面だと思う。さらに、ダンサー陣も登場したこの夜最高にアッパーな場面で披露された、スガ流毒ファンクを代表する「イジメテミタイ」。以前とは明らかに違う、粗削りながら驚くほどみずみずしいファンク・ロックへと変貌していたのがとにかく新鮮。そんな予想のつかないロックな展開も、スガVS田中が向かいあってギターを弾きまくるエネルギッシュなプレイも、すべてが“バンド・パワー”全開。もしかすると、濃密かつ完成されたこれまでのスガ・ファンクに耽溺してきたコア・ファンにとっては、いささか戸惑う部分もあったかもしれない。だが、むしろそれこそが今回のツアーでスガ シカオが形にしたかったものなのではないだろうか。
世間的にも、キャリア的にも、ポジション的にも、もはや“大御所”と呼ばれても当然の域。だが彼は、アルバム『FUNKAHOLiC』でも、それに伴う今回のツアーでも、積み上げてきたものに安住するのではなく、コア・ファンに失望されるかもしれない、というリスクを背負ってでも、音楽家として進化し続ける道を選んだのだ。
【FUNKAHOLiC】ツアーのファイナルは1月14日@仙台。
音楽家として進化し続けるスガ シカオの雄姿を、是非、自身の全身で体感して欲しい。
取材・文/早川加奈子