『タリバン・フェミニズム リベラルと保守の対立をこえて』(ベストセラーズ)著者:中田 考Amazon |honto |その他の書店
「タリバンは女子を学校に行かせない、けしからん!」西側の報道の定番だ。本当にそうか。
著者はまずフェミニズムをいちから勉強し、第Ⅰ部にまとめた。第Ⅱ部は、そもそもタリバンは…、を徹底考察。結論は、不当な言いがかり、である。

著者・中田考氏は、イスラム法学が専門のムスリム。西側メディアに惑わされない論考で定評がある。

著者は言う。タリバンの本質とは≪イスラーム学者集団≫で教育者。無神論のソ連の侵略や西側のもたらす腐敗と混乱に抗し、武器をとって戦ってきた。≪スンナ派…の中のハナフィー学派に属する≫デオバンド学派、つまり≪近代主義的イスラーム改革運動≫だ。教育にも力を入れマドラサ(イスラム式の学校)の数が洋式学校より増えている。≪タリバン・フェミニズムは、男女の性差を当然の前提とし≫、イスラムの教えに従って女性を保護するのだ。

西側フェミニズムは≪「ジェンダー」「平等」「自由」「多様性」といった…世俗主義的世界観に由来≫する。
その物差しをイスラム世界に押しつけるだけでいいのか。タリバンを一例に、世界を正しくみつめる難しさを反省させる良書である。

【書き手】
橋爪 大三郎
社会学者。1948年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。執筆活動を経て、1989年より東工大に勤務。現在、東京工業大学名誉教授。著書に『仏教の言説戦略』(勁草書房)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)、『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『社会の不思議』(朝日出版社)など多数。近著に『裁判員の教科書』(ミネルヴァ書房)、『はじめての言語ゲーム』(講談社)がある。

【初出メディア】
毎日新聞 2026年6月20日

【書誌情報】
タリバン・フェミニズム リベラルと保守の対立をこえて著者:中田 考
出版社:ベストセラーズ
装丁:新書(340ページ)
発売日:2026-04-21
ISBN-10:4584126216
ISBN-13:978-4584126219
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