睡眠不足が体によくないことは知られていますが、腎臓にも大きな影響を及ぼすことをご存じでしょうか。研究では、睡眠時間が5時間以下の人は、約7時間眠る人に比べて人工透析が必要になるリスクが約2.1倍高いことが報告されています。


今回は、『「腎臓にいいこと」、ぜんぶ集めました。』(工藤孝文監修、ホームライフ取材班編/青春出版社)から、腎臓を守るために知っておきたい睡眠習慣を紹介します。
○睡眠は7時間がベスト。5時間以下なら人工透析のリスクが倍増!

若いうちは、布団に入ったらすぐに寝ついて、途中でまったく目覚めないで、朝までぐっすり眠っていたことだろう。毎日、8時間くらい、たっぷり寝ていた人が多いのではないか。

しかし、中高年の場合、なかなかそうはいかないものだ。年齢が上がるにつれて、睡眠時間が少なくなる一方、中途覚醒が増えていくのは避けられない。

それでもやはり、睡眠はたっぷり取ったほうがいい。このことは、腎臓と睡眠の関係を研究した報告でも明らかだ。

約1600人の慢性腎臓病の人を対象にした研究を見てみよう。4年間の追跡調査をした結果、睡眠時間が1日5時間以下の人は、約7時間眠っている人と比べて、人工透析が必要になるリスクが約2.1倍高かった。

逆に眠り過ぎるのも体に負担が大きいようで、睡眠時間が8時間を超える人は、7時間睡眠の人と比べて、人工透析にいたるリスクが約1.5倍になった。


がんと睡眠も同じような関係性にあり、5時間未満しか眠らない男性は、7時間眠る人と比べて、がんによる死亡リスクが56%高かった。一方、がんも寝過ぎると良くない結果を招き、長く眠り過ぎている人は、適切な睡眠時間の人と比べて、がんのリスクが高まるという報告が複数ある。

睡眠時間は短過ぎても長過ぎてもいけない、というわけだ。ただ、睡眠時間が長過ぎるという人は、病気で体が弱っていたり、寝床から起きる体力がなかったりする可能性もある。主に問題なのは、睡眠時間の短い人のほうだろう。

眠っている間は、体を再生している大切な時間。適切な睡眠を得られないと、疲れて弱った細胞を修復できない。睡眠不足の日が続けば、血管の負担も積み重なって、腎臓の機能に影響するようになる。

睡眠不足はメタボや高血圧、糖尿病にもつながりやすい。これらすべてが腎臓病の危険因子だ。数々の研究が示すように、7時間睡眠を目指すのが得策だ。

○『「腎臓にいいこと」、ぜんぶ集めました。
』(工藤孝文監修、ホームライフ取材班編/青春出版社)

腎臓は肝臓同様に「沈黙の臓器」と呼ばれ、ダメージが進むまで自覚症状がほとんどありません。その代償は大きく、ひどくなると人工透析に、なんてことも…。しかし、食事・生活習慣・環境などで日々のケアが可能です。本書では、医学的根拠をもとに、腎臓を守る・元気にする方法を網羅的に紹介します。
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