東京商工リサーチは9月4日、「半導体関連メーカー」動向調査の結果を発表した。調査は、同社の企業データベース(約440万社)から、日本産業分類の集積回路製造業を対象に、2025年4月~2026年3月期を最新期(2025年度)とする5期連続で業績が判明した154社を抽出し、分析した。

○売上・利益が過去5年間で最高

全国の主要半導体関連メーカー154社の2025年度業績は、売上高合計が7兆9,115億円(前年度比17.1%増)、利益合計は7,125億円(同5.4%増)で、ともに過去5年で最高となった。

2021年度以降、デジタル需要の急成長や活発なスマホ・PC需要で拡大したが、需要が一巡した2023年度は減収減益となった。ただ、2025年度は生成AIの需要増に加え、NAND型フラッシュメモリの世界的な供給不足で販売単価の上昇などがあり、売上高を伸ばした。一方、利益は2024年度に急伸長(同500.8%増)を遂げたが、2025年度はコスト上昇から前年度比5.4%増にとどまった。

○売上高10億円以上が半数近くを占める

半導体関連メーカーの売上高分布は、最多が売上高1億円未満の36社(構成比23.3%)、次いで1億円以上5億円未満が35社(同22.7%)、10億円以上50億円未満が28社(同18.1%)の順だった。売上高500億円以上は18社(同11.6%)で、前期(17社)より1社増えた。売上高10億円以上が68社(同44.1%)と中堅以上が半数近くを占めた。多額の設備投資を伴うため、投下資本の効率化を図るには規模拡大が避けて通れない。売上高伸長率は、10~100%未満が46社(構成比29.8%)で最多だった。次いで、▲10%未満が37社(同24.0%)、0~5%未満が27社(同17.5%)と続く。売上高伸長率100%以上は3社(同1.9%)で、製造拠点の本格稼働などが要因だった。

○損益別 黒字企業が7割、減益企業は4割超

2025年度の最終利益が黒字は、113社(構成比73.3%)だった。
黒字企業は、2024年度が107社(同69.4%)だったが、2025年度は6社増加した。一方、黒字を維持したが、減益企業は66社(同42.8%)と4割を超えた。半導体製造に不可欠なシリコンウエハ等の部材費や、特殊ガスなどの原材料費に加え、エネルギー価格高騰で工場の光熱費上昇、さらには深刻な人手不足に伴う人件費の急増が収益を直撃した。膨らんだコスト増を価格転嫁できない状況がうかがえる。

○「増収増益」「減収減益」で二極化

業績は、「増収増益」が61社(構成比39.6%)で最多。次いで、「減収減益」が48社(同31.1%)、「増収減益」が18社(同11.6%)と続く。「減収減益」と「増収減益」を合わせた減益企業は、全体の42.8%に達する。業界は売上高・利益ともに過去5年間で最高を更新したが、業績の二極化が進行している。

○業歴別 業歴50年未満が7割以上

業歴別は、最多が30年以上50年未満の58社(構成比37.6%)だった。次いで、10年以上30年未満が50社(同32.4%)、50年以上100年未満が37社(同24.0%)と続く。100年以上は1社のみで、1922(大正11)年創業のトーア紡コーポレーション(TSRコード:575143100、大阪市)が最古だった。

○資本金別 1億円未満が約7割

資本金別は、最多が1千万円以上5千万円未満の57社(構成比37.0%)だった。
次いで、1億円以上48社(同31.1%)の順。個人企業を含む資本金1億円未満が106社と約7割(同68.8%)を占めた。多くは受託加工や部材加工などの下請けを担っている。資本金が最も多かったのは、TSMC(台湾)の日本子会社Japan Advanced Semiconductor Manufacturing(TSRコード:693835427、熊本県、JASM)で2,072億3,220万円だった。

○売上高ランキング AIの普及拡大を取り込み業績好調

売上高トップのキオクシアは、旧東芝メモリを前身とするNAND型フラッシュメモリ生産を手がける。AIの急激な普及に伴う大容量・高速SSDの需要に加え、NAND型フラッシュメモリ販売単価の急騰や米エヌビディア(NVIDIA)関連の大容量SSDが好調だった。2位のソニーセミコンダクタソリューションズは、積層型CMOSイメージセンサーで世界シェア第1位を保持。スマートフォン向け大口径化・高感度化に加え、車載・産業用カメラ向けセンシングの拡大が寄与した。3位のルネサスエレクトロニクスは、車載用マイクロコントローラ(MCU)分野で高いシェアを持つ。自動車の電子化・高度化や産業用機器・IoT向け半導体の需要を取り込んだ。

売上伸長率トップは、JASMが初の通年稼働で売上高724億2,000万円をあげ、前年度比の伸長率は14240.5%増だった。本社工場の本格稼働および量産出荷が順調に進捗し、今後は先端・成熟プロセスの生産拠点として、車載・イメージセンサー分野等への安定供給を目指す。
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