ハジャーの離脱によってF1でのドライビング機会を得ている角田(C)Getty Images

 果たして、どこまでアピール機会は続くのか。レーシングブルズの一員としてF1にスポット参戦し続けている角田裕毅の起用法が注目されている。

 レッドブルにとって不測の事態だった。今年8月末にセカンドドライバーのアイザック・ハジャーがボクシングトレーニング中に左手首負傷し、戦線を離脱。シーズン後半戦初戦となるオランダGPに「代役」を立てなければならないアクシデントが生じた。

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 チームは、レーシングブルズからリアム・ローソンを昇格決定。ところてん式に、チームのリザーブ兼テストドライバーだった角田が姉妹チームのハンドルを握った。

 当初はオランダGP、続くイタリアGPだけのスポット起用の想定だった。しかし、ハジャーが左手首に抱えたダメージは思ったよりも深刻化。いまだ復帰の目途は立っていない。

 F1回期待の新鋭であるフランス人ドライバーの近況はいかほどなのか。元王者のニコ・ロズベルグ氏は、英衛星放送『Sky Sports』において「手首を負傷した状態で運転するのは本当にひどいことになる」と指摘。筋肉系の故障も囁かれているハジャーの情報をふまえて、時間をかけて治さなければ、「運転はできない」と持論を展開した。

「ドライバーたちはあまり意識しないかもしれないけど、ブレーキをかけるとシートベルトで身体が前に投げ出され、ハンドルに押し付けなければならない。

そうしないと身体が前に飛び出してしまい、シートベルトでぶら下がったままの状態になるかだ。つまり、運転する時には、ハンドルをものすごく強く押す必要がある。手首を骨折していたら、そんなことはできない。痛みがひどすぎるからね。きっと彼(ハジャー)もそういう問題を抱えている」

 当然ながらハジャーの離脱期間の延長は角田の去就にも影響する。早々にお役御免となるはずだった26歳だが、F1参戦が、個々から先も続きそうなムードになってきている。レッドブルのローラン・メキース代表は、『Sky Sports』で「まだ何とも言えないね」と慎重に回答しながらも、「ユウキがレッドブルファミリーの一員となり、良いパフォーマンスを発揮しているのは素晴らしい。ああやってコンディションを万全に保ち、いつでもレースに出られる準備ができているドライバーがいるのは当たり前じゃない。彼のやっていることは決して簡単なことではない」と論じた。

 チーム幹部からの評価も上々な角田。自らF1公式のポッドキャスト番組『Beyond The Grid』で「僕が最優先としているのはF1。そこに戻ろうと焦点を当てているし、それが僕の目標。

今はそれ以外のことは考えていない」と断言しているだけに、ハジャーの離脱によって奇しくも伸びているチャンスは、存在証明の貴重な場となる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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