土地に秘められた伝承と家族の崩壊を描いた英国発フォーク・ホラー映画『Starve Acre(原題)』が、邦題を『スターヴ・エイカー 召喚』として9月11日より公開されることが決定。ポスタービジュアルが解禁された。



【写真】うさぎがかわいいのにどこか怪しい『スターヴ・エイカー 召喚』ポスター

 リチャードとジュリエット夫妻が最近移り住んだ、英国ヨークシャー地方の<スターヴ・エイカー>。この人里離れた土地は、家族に対して奇妙な力を及ぼしているように思われ、とりわけ幼い息子・オーウェンは、ジャック・グレイの口笛が聞こえると寝言で話すようになっていた。

 ある日オーウェンは喘息発作によって突然命を落とす。その死は夫婦のあいだに深い亀裂を生み、長い冬のような悲嘆の日々が続いていく。ジュリエットは亡き息子の魂と交信し、リチャードは、自分たちの土地のどこかに埋まっている、民間伝承にまつわる古いオークの木を掘り起こすことに取り憑かれていく。

 そしてリチャードは、大きな野ウサギの骨格を発見。しかもそれは、日を追うごとに肉付き蘇生していく。古いオークの根、謎めいた口笛、呼び戻される“何か”。美しく荒涼とした田園風景の中に漂う不穏な気配が、やがて静かに悪夢のかたちを成していく。その“召喚”は、誰の願いだったのか。喪失の先に差し出された救いが、想像を超えた恐怖へと変わる。

 監督・脚本は、イギリス映画界の気鋭、ダニエル・ココタジロ。
フォーク・ホラーの伝統を現代的な感性で再構築した本作は、BFIロンドン映画祭で最高賞を競う公式コンペティション部門に選出。海外の有力誌からも「見事なまでに不気味な空気感」(スクリーン・デイリー)、「稀有な感覚的精密さと、洗練された形式美」(バラエティ誌)、「知的な演技が、恐怖に命を吹き込む」(ガーディアン紙)など絶賛の声が届いており、今年多数公開されるホラー作品の中でも異質な存在感を放っている。

 主演は、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』のマット・スミス、『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』『セイント・モード/狂信』のモーフィッド・クラークの2人が務める。撮影前には4日ほどリハーサルを行い、特にマット・スミス演じるリチャードは考古学者という役柄のため、発掘技術など具体的な動作を確認したり、考古学者に現場に来てもらって助言を受けるなど、実際に作業を行いながら人物像を作り上げていったという。

 ポスタービジュアルは、ウサギが大きく描かれたもの。一見愛らしい姿だが、その体には木の根が絡みつき、しかもその目は赤く染まり、「決して、掘り起こしてはならなかった。」というコピーも相まって、ただならぬ雰囲気を醸し出している。

 この映画が持つ奇妙な温かみと不気味さは、ココタジロ監督の映画体験が大きく関係している。ココタジロ監督は、子どもの頃からホラーファンだったと明かし、「ただ、それには厄介な宗教的罪悪感も伴っていて、しばしば自分のVHSコレクションを処分してしまうこともありました……。もちろん年齢を重ね、数カ月おきに映画コレクションを捨てるようなことはしない程度に分別がつくようになると、自分を怖がらせたり、刺激したりするものも変わっていきました。不条理でシュールなホラー、ブラックコメディとしても機能するホラー、あるいは実存的なテーマを持つホラーが、その後も私を不安にさせ続けました」と振り返る。

 この映画の“ウサギ”については、「4歳か5歳くらいの頃、ヤン・シュヴァンクマイエルの『アリス』を見せられたのですが、あれには本当に震え上がりました。ストップモーションで動く剥製の白ウサギは、本作で動物をどのように撮るかを考えたとき、すぐに思い出したものです」と、実写とストップモーションアニメを融合させた名作からインスパイアされたことを明かしている。


 映画『スターヴ・エイカー 召喚』は、9月11日よりシネマート新宿ほかにて公開。

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