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ドラマが終了したのち映画化が決定し、『劇場版 MOZU』の撮影がスタートしたのが、3月22日。その8日後に始まった約1ヵ月に及ぶフィリピンロケのうち、池松は数日間の撮影しかなかったが、「振り切る覚悟で挑んだ」と口にする。「映画化を聞いた際は、不思議な感覚がしたんです。僕のなかで、新谷というキャラクターは過去の人物になっていましたから。でも、再び登場するなら、以前のままではいけない。僕も、映画を観てくださる人も、物理的に1年の時間が経過しているわけです。新谷も成長させる必要がある。ビルの屋上から飛び降りて消息不明となった新谷和彦は、どういう生活をしてきたのか。自分のなかで色々と考え、奥行きは持たせたつもりです」。
その奥行きが、松坂桃李演じる殺し屋・権藤との死闘でほとばしる。新谷のセリフは少ないが、その一挙手一投足から、想いがひしひしと伝ってくる。「あのアクションシーンは、ドラマ版と違って、カット割りをほとんどせずに撮影されています。それはつまり、カット割りによる映像のマジックが使えないということ。1つのアクションが長くなればなるほど、粗が見えてきてしまうんです。ドラマでは、撮影当日に殺陣の動きを教えてもらって本番だったのが、映画では前日に練習があったので、それだけ大変なんだろう、と(笑)。ただ、殺陣の流れにこだわりすぎてしまうと、それはそれで良くない。例えば、権藤がパンチしてきた際、僕がほんの少しでも、防御の手を早く出してしまったらおかしいわけです。それに、本番のパッションは練習とは違うし、何よりも、やっと出てきたんだから暴れろという、周囲の“ヤレヤレ”モードがすごかった(笑)」。 そして、撮影は終了。新谷和彦にも区切りがついたわけだが、池松から『MOZU』の名が消えることはない。「これまで出演してきた作品が、僕の名刺変わりになるのですが、『MOZU』は見た人の数が圧倒的に多く、一気に名前を知ってもらうこととなりました。
自分に対し、俳優という仕事に対し、見事なまでに腹をくくる池松。その覚悟、いつごろからあったのだろうか。「これまで、焦ったり、悩んだり、何も考えずに無敵だったこともありました。また、映画には興味があるけれど、役者には興味が持てず、大学に入って監督業を学んだりもしました。こういった時期を経てきたことで方向性が定まり、変化を受け入れられるようになったんです。今がどうかなんて、自分ではわかりません。でも、自分のやりたい方向にむかっていると信じています。その一方で、俳優を続けているのは、自分にはこれしかないんだ、と諦めている部分もあるんですけどね」。
最後に、今後は?と聞くと、「色々考えているので、楽しみにしていてください」と、微笑む池松。その言葉どおり、より一層の活躍を楽しみにするとしよう。
『劇場版 MOZU』は11月7日より全国ロードショー。
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