北朝鮮の金正恩政権が、自家用車に対する交通取り締まりを大幅に緩和し、円滑な運行を保障するよう全国の交通当局に指示したことが分かった。従来から横行していた交通警察による賄賂要求を一喝した形だ。
米政府系放送のRFA(ラジオ・フリー・アジア)が北朝鮮内部情報として伝えた。 背景には、個人が貯め込んだ外貨を自家用車購入へ誘導し、停滞する国内経済を活性化させたい政権の思惑があるとみられる。 RFAによると、咸鏡北道の住民情報筋は19日、「当局は最近、自家用車の購入と運行に関する新たな指示を出し、司法・交通当局に対し、自家用車の利用を円滑に保障するよう命じた」と明らかにした。 これを受け、道路上で車両を停止させ、交通規則違反を口実に罰金や賄賂を要求してきた交通安全員(交通警察)の取り締まりは目に見えて減少したという。情報筋は「中央から『自家用車への取り締まりを緩和せよ』との指示が下りたことで、従来の慣行がやや弱まった」と説明した。 さらに当局は、住民が自家用車の購入をためらう要因となっていた「購入資金の出所」を問題視しないよう指示したという。北朝鮮では、不正蓄財を理由に個人財産が没収される事例が少なくなく、住民の間では「高価な車を買えば資産を疑われる」との警戒感が根強かった。このため当局は、資金の出所を問わず購入を認めることで、自家用車市場を拡大させようとしているとされる。 一方、平安北道の住民情報筋も20日、「中央から自家用車を好きなように運行できるよう保障せよとの指示が下達された」と証言した。現在では、自家用車は昼夜を問わず走行しても交通警察の取り締まり対象にならず、目的地や積載物、運行日時を記した証明書の提示が義務付けられる機関所属車両とは対照的な扱いを受けているという。 背景について情報筋は、「個人所有の車両は、機関や企業所の承認手続きを経ずに運行できるため、活用度が非常に高い」と説明。「個人資金を市場から引き出し、自家用車購入へ向かわせることは、当局にとっても効果的な政策だと判断したのだろう」と分析している。
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