北朝鮮が初の5000トン級新型多目的駆逐艦「崔賢(チェ・ヒョン)」を西海(黄海)艦隊に配備したことが明らかになった。朝鮮中央通信(KCNA)は24日、前日に南浦港で行われた就役式で、朝鮮労働党中央軍事委員会の命令により同艦を「朝鮮人民軍海軍西海艦隊」に編入したと報じた。
一方で、4月の進水式では党中央軍事委員会の命令書が「東海艦隊司令官」に伝達されたとされており、当初予定されていた日本海側(東海)から黄海側への配備変更が行われた可能性が浮上している。 「崔賢」は北朝鮮初の本格的な多目的駆逐艦で、各種対空・対艦・対地兵器に加え、将来的な海上核戦力の中核を担う艦艇として位置付けられている。北朝鮮はこれまで、日本海側を中心に潜水艦戦力や弾道ミサイル発射能力を発展させてきた経緯があり、同艦も当初は東海艦隊への配備が有力視されていた。 実際、4月25日の進水式では、KCNAが「新型多目的駆逐艦の等級規定と艦の名称、艦の番号を規定することに関する朝鮮労働党中央軍事委員会の命令書を朴正天氏が発表し、朝鮮人民軍海軍東海艦隊司令官に伝達した」と報じていた。党中央軍事委員会の正式命令が東海艦隊司令官に交付されたことから、この時点では東海艦隊所属が予定されていたとみられる。 ところが、今回の就役式では朴正天氏が改めて党中央軍事委員会の命令を読み上げ、「崔賢」号は西海艦隊に就役し、西海防衛と戦争抑止の任務を遂行すると宣言した。約2か月の間に所属艦隊が変更されたことになり、その背景に関心が集まっている。 変更の理由を直接説明する記述はないものの、就役式での金正恩朝鮮労働党総書記の演説は、その一端を示唆している。 金氏は「今の心配はこうした大型戦闘艦船を係留する基地がないことだ」と率直に認め、「昨日の党中央委員会第9期第2回総会では、新しい海軍基地を建設する問題を討議・決定した」と明らかにした。大型艦艇を運用する港湾・補給施設の整備が喫緊の課題であることを最高指導者自ら認めた形であり、北朝鮮が5000トン級以上の艦艇を本格運用するためのインフラ整備が追いついていない実情が浮き彫りとなった。
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