韓国の政府系シンクタンク・統一研究院のチョン・ウニ研究員によれば、北朝鮮では性犯罪が増加する傾向がうかがえるのに、法律の処罰規定はむしろ後退しているという。同氏によると、性犯罪は特に、軍と関連したものが深刻だ。

デイリーNK内部情報筋によって伝えられた以下の事件こそは、その典型例と言える。

加害者は黄海南道(ファンヘナムド)海州(ヘジュ)に本部を置く、第4軍団に所属する50代の師団政治部長だ。被害者は、師団軍医所の21歳の女性看護兵だった。

彼女は不眠を訴える政治部長から2日に1回のペースで呼び出され、2年間にわたり被害に遭った。政治部長の犯行は計画的だった。自分の好みのタイプである彼女を、権力を行使して軍医所に配属させたのだ。

苦しみに耐えられなくなった彼女は政治部長の毒殺を図り、自らの生涯を閉じたのだが、政治部長は一命を取りとめた。

母ひとり娘ひとりという力なき家庭の出であった彼女の死の真相は徹底的に伏せられ、真実を知る同僚らも政治部長による粛清人事でそれぞれ違う下級部隊に厄介払いされた。

それでもこうしたエピソードはときに、こうして国外にまで漏れ伝わってくる。

であれば、金正恩総書記や金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党部長の耳に入らないこともないだろう。軍の兵士が置かれた環境の改善は彼らの利害にもかなうはずだが、そんなことも出来ないようであれば、いくら核兵器で威嚇しようとも、北朝鮮軍はいざというときに使い物にならない、ポンコツの最弱軍隊であり続けることだろう。

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