米国の安全保障専門メディア「19FortyFive」は10日、「長年、韓国のKF-21ボラメは誰も買わない戦闘機のように見えた。しかし今やインドネシア、フィリピン、アラブ首長国連邦(UAE)、マレーシアなどが導入に関心を示している」と評価し、その開発が順調に進んでいると伝えた。
一方で同メディアは、KF-21が「米国への依存から脱却するための主権戦闘機」として構想されたにもかかわらず、その心臓部であるエンジンには米ゼネラル・エレクトリック(GE)製F414を採用している点に着目。「韓国が米国から完全に自由になったという見方は『半分しか正しくない』」と指摘し、「ワシントンは依然として拒否権を握っている」と論じた。
この「半分の主権」という弱点を克服し、世界の防衛市場で真の競争力を獲得できるのか。韓国官民はいま、防衛産業史上でも屈指の難題に挑もうとしている。
米国の輸出承認という「見えない壁」
19FortyFiveが指摘した最大の課題は、輸出の自由度にある。
KF-21は米国製F414エンジンを採用しているため、第三国への輸出には米政府の承認が必要となる。米国製の中核技術を使用する以上、韓国だけで輸出先や条件を自由に決められるわけではなく、外交・安全保障上の判断が輸出に影響を及ぼす可能性が残る。
こうした制約を軽減するため、韓国政府は戦闘機用エンジンの国産化計画を本格化させた。ハンファエアロスペースなどを中心に、2030年代後半の実用化を視野に、F414級を上回る性能を目標とした次世代ターボファンエンジンの研究開発が進められている。
しかし、高性能戦闘機用エンジンの開発は、防衛産業でも最難関の分野とされる。
タービン内部では1600~1800度にも達する超高温ガスが流れ、タービンブレードは毎分数万回転という極限環境で長時間の耐久性を維持しなければならない。その設計・製造は、長年にわたり蓄積された材料工学や製造ノウハウが不可欠であり、先進メーカーは製造条件や材料配合を企業秘密として厳重に管理している。このため、新規参入国は基礎研究から試験、耐久評価まで独自に積み重ねる必要がある。
航空エンジン開発に詳しい専門家は、「高性能戦闘機用エンジンを独自に設計・量産できる国は世界でもごく限られている。中国も実用化まで数十年にわたり改良を重ねてきた。韓国の挑戦は極めて野心的であり、長期的な技術蓄積が不可欠だ」と指摘する。
中東市場が握るKF-21の将来
こうした中、韓国が期待を寄せるのが中東市場である。19FortyFiveによれば、UAEはKF-21を軸とした最大150億ドル規模の共同開発構想を検討していると報じた。これは、両国間で協議されている防衛協力の総額のことかもしれないが、いずれにしても、その中にKF-21に関するプログラムが含まれている可能性は高い。
UAEは過去、米国製F35導入をめぐり政治・安全保障上の条件から交渉が停滞した経験を持つ。そのため、政治的制約の少ない新たな高性能戦闘機への関心は依然として高いとみられている。
もっとも、KF-21が真にそうした市場で存在感を高めるためには、輸出に伴う米国の承認手続きへの依存を可能な限り減らし、輸出政策の自由度を高めることが重要になる。
米専門メディアが突いた「米国依存」というアキレス腱。それを克服できるかどうかは、単に一つの戦闘機の成功だけでなく、韓国防衛産業の今後を占う試金石となりそうだ。(取材・文/ジャーナリスト 金賢)








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