2026年7月20日未明、ロシアの首都モスクワ地域に対し、ウクライナ軍が400機以上の無人機を投入した。ロシア側は大半を迎撃したと発表したが、住宅や工業施設に被害が出て少なくとも10人が負傷した。
今回の攻撃は、前日にロシア軍がキーウへ弾道ミサイルを大量に発射したことへの報復とみられ、双方の都市攻撃が激化している。

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 ロシア国営ソーシャルメディア「MAX(マックス)」によると、セルゲイ・ソビャニン市長は「午後8時半から午前5時にかけて400機以上の敵無人機がモスクワ地域に飛来した」と述べ、「大半は迎撃された」と強調した。ロシア国防省も「381機を撃墜した」と発表し、防空網の有効性を強調した。モスクワ州当局は「住宅や工業施設が損傷し、10人が負傷した。中国人3人も含まれる」と説明。ドモジェドボ市では工業団地や住宅が炎上したと伝えられた(ロシア通信RIAノーヴォスチ RIA Novosti)。

 一方、ウクライナ側は攻撃の狙いを明確にしている。ゼレンスキー大統領は「モスクワ州の油槽所や物流施設を攻撃した」と述べ、さらに「黒海でタンカー2隻と貨物船4隻を標的にした」と明らかにした(ウクライナ通信ウクラインスカ・プラウダ Ukrainska Pravda)。ウクライナ軍は長距離無人機の技術を急速に進化させており、ロシアの広大な領土防衛に負担をかける戦術を展開している。

 今回の攻撃は、直前にロシア軍がキーウへ弾道ミサイル40発以上と無人機120機を投入し、1人が死亡、16人が負傷した事件の直後に行われた。さらにその前日には、ウクライナ軍がモスクワ州の物流施設「Wildberries」を攻撃し、8人が死亡している。こうした一連の攻撃は「報復の連鎖」として位置づけられ、双方が都市やインフラを狙う対称的な攻撃が顕著になっている。


 ロシア側にとって課題は、防空網が首都防衛には機能しているものの、物流や油槽所など後方施設の防御が脆弱である点だ。民間被害が増加すれば国内世論への影響も懸念される。ウクライナ側は燃料供給網を寸断し、前線の兵站を圧迫する狙いを持つ。さらに首都圏を直接攻撃することで心理的効果を狙い、プーチン政権に圧力をかけている。

 国際的な含意として、無人機戦術の拡大は戦争の非対称性を強調し、従来の防空概念を揺さぶっている。ロシアの弾道ミサイル使用増加とウクライナの長距離無人機攻撃が「報復のスパイラル」を形成し、停戦の可能性を遠ざけている。双方の都市攻撃は長期消耗戦の様相を強め、戦争の終結は一層困難になっている。

 今回のモスクワ攻撃は、キーウへの弾道ミサイル攻撃に対する直接的な報復であり、戦争は都市やインフラを標的とする「相互打撃戦」へと深化している。ロシアは防空網の限界を露呈し、ウクライナは無人機戦術で戦略的圧力を強めている。停戦の展望は遠のき、長期消耗戦の構図が鮮明になっている。
【編集:af】
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