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『STAR』は、フジテレビの上垣皓太朗アナをMCに据え、スタッフとして『FNS歌謡祭』などを手がける音楽班と、情報番組『めざましテレビ』のエンタメチームが結集。アーティストの最新パフォーマンスと、旬のエンタメニュースを融合させた構成が特徴となっている。
期待の新番組として船出し、初回から平均世帯視聴率3%台(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録するなど、まずまずの滑り出しだったと報じられていた。しかし、その後は数字は下降。6月4日の放送では、世帯平均2.3%、個人平均1.4%にとどまった。
同じ週の音楽番組では、NHK『うたコン』が世帯平均7.1%、個人平均4.0%、TBS系『CDTVライブ!ライブ!』が世帯平均4.6%、個人平均3.0%を記録。『STAR』は同じゴールデン帯のライバル番組だけでなく、夜11時台のテレビ朝日系『EIGHT-JAM』にも及ばないという結果となった。
一方で、番組の内容に特別な問題があるようには見えない。上垣アナの進行は若手らしからぬ安心感があり、出演アーティストの見せ方や演出も手堅い。ライブパフォーマンスと情報性のある企画を組み合わせる構成も、そつのない印象だ。
ただ、その"無難さ"が弱点になっている可能性もある。
同じ課題を抱えていたのが、日本テレビ系『with MUSIC』だった。有働由美子アナをMCに迎え、2024年春に鳴り物入りでスタート。アーティストの歌唱に加え、トークやVTRで楽曲の魅力を掘り下げる構成だったが、独自色を浸透させきれず、今年3月に約2年で終了となった。
『with MUSIC』が始まった当時は、各局のゴールデン帯に音楽番組が並び、かつて絶滅すら危惧されたテレビ音楽番組の「再ブーム」が到来したと話題になった。しかし現在、好調を維持している番組は決して多くない。
生き残っている番組には、明確な特徴や独自色が見えるという共通点がある。NHK『うたコン』は、中高年の視聴者をメインターゲットとして、演歌、歌謡曲、J-POP、ミュージカル系まで幅広く扱い、生放送・生歌唱の魅力を前面に出す。懐かしさだけでなく、良質な音楽を安定して届ける番組として信頼を積み重ねてきた。
一方、2024年春から2時間枠となったTBS系『CDTVライブ!ライブ!』は、10代~20代からの支持が高いアーティストをそろえ、地上波の音楽番組では珍しい「フルサイズ歌唱」を徹底しているのが特徴。
さらに、長寿番組のテレビ朝日系『ミュージックステーション』も忘れてはならない。一時は視聴率低迷などで先行きを不安視する報道もあったが、現在も音楽番組の代表格として存在感を保っている。MCのタモリを中心とした安定感、旬の最新ヒット曲から国内外の大物アーティストまで受け止める間口の広さ、特番時の出演ラインアップの豪華さは、長年続く番組ならではの強みだ。
現在の視聴者は、単に「人気アーティストが出演する」というだけでは音楽番組を見てくれない。好きな歌手のライブやMVは動画サイトなどで視聴できるし、楽曲を聴くだけならサブスクや配信で十分だ。だからこそ、「なぜテレビで見るのか」という理由を番組側が示す必要がある。
時代や価値観の変化に合わせてアップデートし、視聴する理由やテレビならではの長所を打ち出した番組は生き残り、それを提示できなければ淘汰されていく。これが音楽番組の再ブームが失速した原因ではないだろうか。しかし好調な番組が少なからずあることからもわかるように、ブームが去ったとしても、テレビで音楽を届ける意味は今後も失われないだろう。
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