今年5月に還暦を迎えた元女優で美容家の君島十和子が、改めて注目を集めている。60歳とは思えない美肌やスタイルはもちろんだが、称賛されているのは見た目の若々しさだけではない。
美容を楽しむ姿勢や好奇心、家族との関係、波乱を乗り越えてきた生き方まで含めて、理想的な大人世代の女性として支持されている。

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7月5日、君島は都内で開催された「第12回プラチナエイジ授賞式」に出席し、「ビューティー部門賞」を受賞。華やかな装飾が施されたドレスで登場すると、その美しさとスタイルに会場からため息のような声が上がった。

君島は還暦を目前に新ブランドを立ち上げたことにも触れ、「自分の好きなこと、好奇心のままに進んでいくこと」が年齢を重ねてからの人生を楽しむ秘けつだと説明。「年齢は背番号」とも表現し、スキンケアによる外側からの美容や、腸内環境などの内側からの美だけでなく、精神的な豊かさや生き方の美しさも大切にしながら「生き生きと生きていきたい」と意気込みを語った。

年齢という数字に縛られず、好奇心の赴くまま新しいことに挑戦する。そうした姿勢が、単なるアンチエイジングの枠を超えた美容につながっているのだろう。

今年6月には、すっぴんの状態からフルメイクを完成させる動画を自身のSNSで公開。化粧下地やファンデーションを重ね、眉、アイメイク、チーク、リップ、マスカラと仕上げていく過程を披露した。視聴者からは「うっとり、美しさに見入ってしまいました」「すっぴんでもキレイなのに美への追求が素晴らしいです」「すっぴんも美しいけどメイクすると華やかに、とても素敵!」「すごく参考になります!」と、称賛や感心する声が寄せられている。

すっぴんからメイクを仕上げていく動画はSNSの定番ではあるが、発信するのは10~30代が中心だ。60歳の君島が完成された姿だけを見せるのではなく、何を使い、どう工夫しているのかを惜しみなく公開することは、ファンにとって非常に参考になるだろう。


しかも、彼女の美容法は決して浮世離れしたものではない。5月にピン芸人・CRAZY COCOのYouTubeチャンネルに登場した際には、冷蔵庫に常備している食品として、レジスタントスターチ(難消化性でん粉)を含む「青いバナナ」を紹介。また、野菜や肉は油で焼くのではなく、せいろで蒸すことが多く、「蒸し器は常にキッチンに出てますね」と日々の食生活について語った。少し頑張れば「マネできそう」と思えるあたりが、親近感にもつながっている。

もちろん、君島は最初から好意的な視線だけを浴びてきたわけではない。1995年に服飾デザイナー・君島一郎氏の息子である君島明氏と結婚した当時は、週刊誌などで「玉の輿」と騒がれ、激しい嫉妬や中傷にさらされた。彼女自身、当時は買い物袋の中身や転居先の間取りまで報じられたと振り返っている。

結婚直後に君島家を巡る騒動が起き、翌年に君島一郎さんが急逝すると、親族間の対立や遺産相続問題も報じられた。ブランドの経営状態も悪化し、華やかな結婚生活とは程遠い苦境に立たされた。一方で、君島は当時の「四方から石つぶてが飛んでくるような経験」によって"胆力"がついたとも語っている。

まさにその胆力を武器に、君島は夫と手を取り合って危機を乗り越え、2005年にはスキンケアブランド「FTC」を立ち上げ、自ら美容家として道を切り開いた。今にしてみれば、かつての「玉の輿」という見方が、いかに一面的だったかが分かる。


夫の明氏とは2025年に結婚30周年を迎えた。雑誌のインタビューでは「幸せは待つものではなく、自ら積み上げるもの」という夫婦のあり方を示し、おしどり夫婦ぶりも好感度の高さにつながっている。

子育てでも注目を集めた。長女で女優の君島憂樹は2014年に宝塚音楽学校へ入学し、2016年に102期生として宝塚歌劇団に入団した。「蘭世惠翔」の芸名で活動し、2019年には男役から娘役へ転向。2023年4月に退団するまで舞台に立った。娘をタカラジェンヌに育て上げたことで、母親としても「手本にしたい」という声が広がった。

君島がいわゆる「美魔女」の中でも別格の輝きを放つのは、顔や肌の美しさだけでなく、60年かけて積み上げた人生に説得力があるからだろう。

「美魔女」という言葉は「実年齢よりどれだけ若く見えるか」という競争になりやすく、加齢を否定的に捉える価値観にもつながる。若々しさを過剰にアピールすれば、批判を招くこともある。しかし、君島が実践しているのは無理な若作りではなく、身体の内側と外側を整え、精神面や生き方も充実させていく美容だ。だからこそ不自然さがなく、多くの人の心にスッと入ってくる。


ナチュラルな美、苦難を乗り越えてきた人生、夫や子どもたちとの良好な関係……彼女は存在そのものが大人世代の女性たちにとって「年齢を重ねるための教科書」になっている。

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