歌手のGACKTが主演するフジテレビ系月9ドラマ『ブラックトリック~裁きを操る弁護人~』を巡り、一部視聴者から「GACKTの声が聞こえない」との意見が上がった。また、ベテラン俳優の小沢仁志も、出演作でのセリフが聞き取れないという視聴者の疑問が、ABCテレビ『探偵!ナイトスクープ』で取り上げられた。


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声質や発声、音響、視聴環境など原因はさまざまだが、ドラマや映画のセリフが聞き取りづらいと感じている人は想像以上に多い。そこで広がりつつあるのが、日本語作品を日本語字幕付きで見るという視聴スタイルだ。

『ブラックトリック』は、GACKT演じる"でっち上げの天才"の敏腕弁護士・浦真鷲直人が、うそを武器に真実を暴いていく完全オリジナルのリーガルドラマ。GACKTにとってフジテレビのドラマ初出演にして、月9初主演となる。

7月20日に初回が放送されると、作品への反響とともに、低く抑えたGACKTのセリフ回しについて「声が聞き取りにくい」「音量を上げるとほかの人の声が大きくなる」といった意見がSNS上に寄せられた。

それらの反応を受け、GACKTは自身のSNSで、関係者に音声トラブルの有無を確認したところ「問題はない」との回答だったと明かした。さらに調べてもらうと、意外な原因が分かったという。

GACKTによると、声質がやや特殊だといい、「ボクの声の音量は、デジタルメーター上では他の役者と同じ。だが、ボクの声が持つ周波数は少し特殊らしく、洗濯機、クーラー、扇風機などの生活音と干渉しやすい」と説明した。第2話からは、その特性を踏まえてイコライザーで補正した音声が使われ、視聴者からは「前回より聞きやすくなった」との反応も上がった。

一方、7月31日放送の『探偵!ナイトスクープ』では、任侠ドラマシリーズ『日本統一』の緊迫したシーンで、小沢仁志のセリフが聞き取れないので、何を言っているのか知りたいという依頼が取り上げられた。台本にないセリフなので制作会社ですら判別できず、調査は本人への直撃にまで発展した。


もちろん、これは2人の出演作だけに限った問題ではない。

ミライスピーカーが10代以上の男女882人を対象に実施し、2024年に発表した調査では、テレビでドラマや映画を見た際に、セリフを聞き取りづらいと感じた経験のある人は85.5%に達した。20代でも80%、30代以上では85%を超えており、加齢による聴力低下だけでは説明できない結果となっている。

回答者からは「効果音や音楽は大きいのに、俳優のセリフは聞こえにくい作品が多い」「小声の場面と大きな音の場面が交互に来て、音量調整が難しい」「医療ドラマの聞き慣れない言葉が分からない」といった意見が寄せられた。声の大きさや滑舌の問題だけでなく、BGMのボリューム、専門用語、周囲の騒音、家族に配慮して音量を上げにくいといった事情も絡んでいる。

聞き取れない場合の対応で最も多かったのは「テレビの音量を上げる」。次いで、録画や配信映像を戻してもう一度聞く方法だったが、3番目には「字幕を表示する」が入った。

実際、字幕を付けて見ると、耳だけで視聴していた時には取りこぼしていたセリフの多さに気付くことがある。また、人物名が入り乱れる複雑な会話や専門用語が続く作品などは、会話を「読む」ことでストーリーが格段に理解しやすくなる。字幕は聞こえを補うだけでなく、物語を正確に追うためにも活用されているのだ。

TVerは一部の番組と視聴環境で字幕表示に対応し、Netflixも多くの日本の映画やドラマで日本語字幕の表示を選択できる。こうした配信サービスの普及によって、視聴者が日本語作品でも字幕付き視聴を選ぶ機会が大きく増えた。


ただ、字幕を追うことで俳優の表情や映像から目が離れ、作品への没入感が薄れるという意見もある。従来通りの視聴で作品の世界に入り込むか、字幕を使って物語の理解を深めて楽しむか。いずれにしても、日本語作品を日本語字幕付きで見るスタイルは、好みや状況に応じて選べる身近な視聴方法として定着していきそうだ。

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