最初に結論:メルカリ運営のリユース専門サイト「m department」が7月14日始動。高額品の「品質不安」に応える新たな選択肢に
記事の重要ポイント:
1:メルカリアプリとは別の専用ECサイト。
2:全商品にプロによる品質保証が付帯。発送後180日間の動作保証やカテゴリー別の返品対応など、購入後も安心の体制を整備
3:7月14日~9月30日は対象商品30%OFFのウェルカムクーポンキャンペーンを実施。2027年初頭には買取サービス開始も予定
メルカリは7月14日、プロが品質を保証するリユースサービス「m department(エムデパートメント)」の提供を開始した。同日、メルカリ本社にて記者発表会が開催され、サービス概要や提供開始の背景が説明されたほか、出店パートナー2社を代表してソフマップといーふらんが登壇し、それぞれの取り組みを紹介した。
○メルカリ運営の“デパート”が登場、スマホやブランド品を取り扱い
「m department」はフリマアプリ「メルカリ」とは異なるWebサービスとして開発されたもので、Webブラウザから誰でもアクセスできる。「メルカリ」で不要品を売って得た売上金を購入代金に充てられる点も特長だ。
取り扱いは大きく2カテゴリー。1つは「スマートフォン」「タブレット」「ノートPC」「カメラ・レンズ」といったデジタル機器の整備済み製品。もう1つは「バッグ」「アクセサリー」「財布・小物」「腕時計」「衣類」「シューズ」の真贋鑑定済みブランド品だ。いずれも、プロによって品質が保証された商品が並ぶ。
○スマートフォン・タブレットなどの整備済み製品
専門事業者が同サービス独自の品質基準に沿って検査・修理・クリーニングを実施し、すべての機能が正常に動作することを確認した商品のみを取り扱う。
スマートフォン・タブレットではバッテリー最大容量80%以上を保証するほか、殺菌・抗菌処理を含むクリーニング、前所有者の個人データの完全消去・初期化も行う。
発送後180日間の動作保証が付帯し、万が一正常に動作しなくなった場合は修理または交換で対応。スマートフォン・タブレット・ノートPCは発送後30日以内、カメラ・レンズは同7日以内であれば返品を受け付ける。
○真贋鑑定済みブランド品
真贋鑑定済みブランド品は、各ショップの鑑定士がロゴ、縫製、金具、シリアルナンバーなど複数の観点から1点1点確認し、基準を満たすと判断された商品のみを取り扱う。返品受付期間は発送後10日以内。
篠原氏は価格の一例として、あるブランドのバッグを紹介。メーカー公式サイトでの販売価格19万2,500円に対し、エムデパートメントに出品されている数回使用のみで未使用に近い状態の同型バッグは12万3,900円で、差額は6万8,600円にのぼるとした。
○高額リユース品への不安を「品質保証」で払拭
会見の冒頭、メルカリ 執行役員 CPO Marketplace 篠原孝明氏は国内リユース市場の成長に言及。2024年時点で前年比4.5%増の3兆2,628億円に達し、15年連続で成長。2030年には市場規模が4兆円規模にまで拡大する見通しだという(リユース経済新聞による推計)。
中でも成長が著しいのが携帯・スマートフォン(前年比22.4%増)とブランド品(同15.7%増)で、全カテゴリー中トップ2の成長率となっている。メルカリの調査でも、約5人に1人が「物価高をきっかけにリユース品の検討が増えた」と回答したという。
一方で、リユースへの関心の高まりとは裏腹に、購入に踏み切れない層も依然として多い。
理由として挙がったのは、汚れや衛生面への懸念、動作保証や劣化への不安、価格の妥当性、偽物・コピー品への懸念など。特に高額ブランドのバッグ・時計やジュエリー、スマホ・PC・タブレット、家電といった高額カテゴリーでは、約7割が購入に「とても不安」または「やや不安」と回答しており、価格帯が上がるほど不安が大きくなる傾向がうかがえた。
篠原氏は「内部の劣化や本物かどうかといった、自分では判断しきれない品質への不安が、高額リユース品の購入をためらう大きな障壁になっている」と分析した。
こうした不安を解消する鍵として重要性が示されたのが「品質保証」だ。調査では、リユース品購入時に品質保証があることが重要かを尋ねたところ、高額ブランドのファッションアイテムで83%、スマホ・PC・タブレットで86%が「とても重要」「やや重要」と回答した。こうした背景から、同社は「m department」をリリースするに至ったという。
○品質保証は「メルカリ×出店パートナー」の二人三脚、開始時は88社が参画
「m department」には厳正な出店審査を通過した専門事業者のみが出店可能で、サービス開始時点で整備済み製品・ブランド品合わせて計88社が参画する。
品質保証の役割分担として、メルカリは品質基準・ルールの策定や管理、出店審査を通じてサービス全体の品質を担保し、出店パートナー各社がこれまで培った専門技術をもとに品質保証の実務や保証・返金対応を担う。
会見では出店パートナーを代表し、ソフマップといーふらん(おたからや運営)の2社が自社の取り組みを紹介した。
ビックカメラグループのソフマップは、秋葉原を拠点に店舗・ECでデジタル機器の新品・中古販売を手がけるほか、グループ内の買取やパソコン修理・サポートも担う。
同社の特徴は、全国から買い取ったデジタル機器を千葉・南船橋の商品化センターで一元管理し、再商品化している点だ。
iPhoneについては、買取後に船橋センターで完全データ消去を実施(希望者には有料でデータ消去証明書も発行)。22工程のデジタル品質チェックとアナログでの目視による外装確認を経て商品ランクを判定し、360度撮影で状態が伝わりやすい商品写真を掲載する。
ランクはA~Dの4段階で、「m department」にはランクA(新品同様、わずかな微細な傷がある程度)~C(傷はやや目立つが、動作・品質には問題なし)、かつメルカリの審査を通過した商品のみを出品しているという。
ブランド品のリユースショップ「おたからや」などで知られるいーふらんの久保氏は、ブランド業界を取り巻くトレンドとして、新品価格の高騰が続いている実態を紹介。象徴的な例として挙げたのがルイ・ヴィトンの「ネヴァーフル」で、2007年の発売当初は約7万円だった価格が、2014年の仕様変更時には約14万円に倍増、2026年には発売当初の約4倍にあたる約29万円に達しており、こうした価格の高騰がリユース品のニーズ上昇に寄与しているという。
同社の強みは仕入れ体制にある。国内に日本最大級となる1,900店舗規模の買取店舗網を展開し、日本全国から良質な商品が毎日集まる仕入れ基盤を構築。海外にも香港・シンガポール・台湾・タイ・インドネシアへ進出しており、2026年中にはオーストラリアへの出店も予定する。
こうした仕入れ体制に加え、真贋を担保するのが独自開発のAI真贋鑑定システムを国内外のグローバル拠点で運用。年代の古いヴィンテージ品から最新品まで膨大な正規品・偽造品のデータを学習させ、縫製のピッチのわずかなズレ、ミリ単位の縫い目の深さ、金具の質感の違いといった、人の目では見逃しやすい特徴までAIが判定するとした。
○今後はカテゴリーを拡大、2027年初頭には買取サービスも開始予定
最後に再び登壇したメルカリの篠原氏は、今後の展望を説明。「宝探し感覚で掘り出し物を見つけたいときは『メルカリ』、こだわりのアイテムを納得して選びたいときは『m department』。それぞれの目的に合わせて最適な買い方を選べるマーケットプレイスに進化させていきたい」と語った。
今後、「m department」は取り扱いカテゴリーを順次拡大するとともに、2027年初頭には買取サービスの提供開始も予定している。サービス開始を記念し、対象商品の購入代金が30%OFF(割引上限1万円、条件あり)となるwelcomeクーポンのプレゼントキャンペーンを実施している。
スマートフォンのリファービッシュ品に関しては、au/UQモバイルやソフトバンク/ワイモバイルなど通信キャリア自身が認定中古端末を乗り換え・同時購入時の割引とセットで販売する動きがすでに広がっている。
会場からの「『メルカリモバイル』など自社サービスとの連携は検討しているか」という質問に、篠原氏はメルカリモバイルとの連携もあり得るとしつつ、「現時点で発表できる具体的な内容はない」と述べるにとどまった。現状、「m department」では「メルカリ売上金の利用」以外の連携は発表されていないが、今後の展開に期待したい。











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