痛風の発作が治まると「もう大丈夫」と感じる方も多いのではないでしょうか。しかし痛みが引いても、痛風の原因となる尿酸の結晶は関節や組織に蓄積し続けています。


今回のテーマは「痛風・高尿酸血症を放置した場合の将来リスク」です。
腎臓・心臓への深刻な影響

尿酸値が高い状態が長く続くと、腎臓がじわじわと傷つき、やがて慢性腎臓病へと進行します。悪化すれば腎不全となり、人工透析が必要になることもあります。中路先生によると、血清尿酸値を6.0mg/dL未満に保った人は、それ以上の人と比べて透析が必要になるリスクが22%低かったという日本の研究があるといいます。

また、心臓への影響も見逃せません。尿酸値が上がるほど、心筋梗塞や心不全、死亡のリスクも高まることがわかっており、腎機能が落ちている人ではその傾向がより顕著です。
関節・尿路へのダメージ

痛風発作を5年以上繰り返していると、関節の周りに尿酸の塊(痛風結節)ができ、骨や軟骨が壊れて関節が変形することがあります。また、尿路結石や腎結石も起こりやすくなります。

一方で、尿酸値は低ければ低いほどよいというわけではなく、適切な範囲で維持することが重要です。「痛みが治まっても薬をやめないことが、将来の深刻な合併症を防ぐことにつながる」と中路先生は強調します。

中路幸之助 なかじこうのすけ 1991年に兵庫医科大学を卒業後、 兵庫医科大学、獨協医科大学を経て、1998年 医療法人協和会に所属。 2003年から現在まで、医療法人愛晋会中江病院の内視鏡治療センターで臨床に従事している。
専門分野はカプセル内視鏡・消化器内視鏡・消化器病。学会活動や論文執筆も積極的に行っており、日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本消化器病学会専門医・指導医・学会評議員、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・学術評議員、日本消化管学会代議員・近畿支部幹事、日本カプセル内視鏡学会認定医・指導医・代議員を務めているほか、 米国内科学会(ACP)の上席会員(Fellow)でもある。 この監修者の記事一覧はこちら

この記事は、医療健康情報を含むコンテンツを公開前の段階で専門医がオンライン上で確認する「メディコレWEB」の認証を受けています。
編集部おすすめ