レビュー

一度あるやり方に馴染むと、それを無意識に繰り返してしまうものだ。「勉強法」も、そのひとつかもしれない。


たとえば、「教科書を何度も読み返す」「単語をひたすら覚える」「試験前に一夜漬けをする」といった、学生時代に身につけた学習スタイル。なまじ成功体験があるだけに、社会人になって勉強する機会が訪れても、同じやり方で臨もうとしてしまう。
しかし、それらが科学的には「効果が乏しい」、あるいは「むしろ逆効果」だとしたらどうだろう。現代は学習に関する研究が進み、特に脳科学の分野では多くの知見が蓄積されている。「昔ながらの勉強法」が、そのまま「正しい勉強法」とは限らないのだ。
本書はそうした思い込みを覆し、世界の研究に基づいた勉強法を教えてくれる一冊である。著者はスタンフォード大学オンライン高校で校長を務める星友啓氏。集中、記憶、理解、探求、習慣など10のカテゴリーに分け、本当に効果のある勉強法を多角的に紹介する。
特筆すべきは、「AIを活用した勉強法」だ。生成AIについては「勉強の妨げになる」といった声も聞かれるが、何事も「使いよう」というのはAIとて同じである。AIを「答えを教えてくれるツール」ではなく、「思考の壁打ち相手」として活用することで、思考力を鍛えられるという。
単純作業の多くをAIが担う時代、人間に求められるのは深くユニークな思考力である。
本書では、AIを使った思考力を磨く方法にも触れられている。資格取得やリスキリングなど、忙しい毎日の中でも学び続ける大人におすすめしたい一冊だ。

本書の要点

・「やる気」は動くことで触発される。行動しようと思った瞬間に5秒数え、ロケット発射のごとく動くとよい。
・記憶はインプットした時ではなく、自力で思い出そうとする時に定着する。
・目標達成のためには、成功した結果ではなく、そのプロセスを思い描くことが重要だ。
・AIは使い方次第である。AIを「思考の壁打ち相手」にして対話を重ねると、思考力を鍛えることができる。



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