レビュー

自社の商品に興味のないお客様を相手に売らなければならない――。営業職の方なら、その大変さを身に染みて感じているはずだ。

興味のない人に「振り向いてもらう」「関心を持ってもらう」ことほど骨の折れることはない。
そんな悩みやしんどさを抱えている人に、ぜひ読んでいただきたいのが本書である。著者は「ブラジルの人、聞こえますか~!」でおなじみ、お笑いコンビ・サバンナの八木真澄さん。いつものノースリーブではなく、かちっとしたスーツ(ネクタイはブラジルカラーだが)に身を包んだ八木さんが説くのは、「営業の心得」である。
吉本興業における「営業」とは、テレビ出演や有料のお笑いステージとは異なる、いわゆる「無料イベント」を指す。ショッピングモールのステージや学園祭、企業や地域の催し物など、「お笑いが目的ではない人」を相手に芸を披露し、笑いを取る仕事である。「興味のない人に関心を持ってもらう」こと、さらに「この仕事を次に繋げる(=継続的な受注を獲得する)」という点で、一般社会の営業と通じるものがあるのではないだろうか。
本書は、吉本の芸人たちが営業出演回数を競う人気番組「営業−1グランプリ」(BSよしもと)から生まれた一冊で、著者が芸人たちに「営業マニュアル」を伝授するコーナーをもとに制作された。著者は2025年の同番組で第2位を獲得している。
クスッと笑いながら、営業の「本当に大事なこと」が学べる一冊。孤軍奮闘する営業パーソンのど真ん中に、ささること請け合いだ。

本書の要点

・吉本興業における「営業」とは、クライアント主催の無料イベントを指す。

営業では「笑い」を目的としない人の足を止め、盛り上げることが求められる。
・現場に入ったら元気よく挨拶をして、本番さながらのギャグを披露する。次の仕事に繋げるためには、現場に入った瞬間から終演後まで、全力を注がなければならない。
・相手の肩書によって態度を変えてはいけない。相手を軽んじる態度は、信頼を削ぐことになる。
・感謝を忘れず、どの仕事も一生懸命に取り組むことが、成功への近道だ。



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