サッカーW杯開幕日の6月11日、フジテレビがゴールデンタイムで『この世界は1ダフル FIFAワールドカップ直前スペシャル』を放送。この番組に疑問が投げ掛けられている。


「番組の中盤、W杯出場寸前で逃した『ドーハの悲劇』から前回のカタールW杯までを振り返るVTRが流されました。その途中、日本が初めてW杯出場を決めた1997年11月、第3代表決定戦のイラン戦が取り上げられました。その際、テロップやナレーションに違和感を覚えました」(テレビライター)


 このアジア最終予選、エースのFW三浦知良は絶不調で、初戦に4ゴールを決めた後、6試合連続ノーゴールだった。イラン戦にも先発出場したが、本調子には程遠く、後半18分に交代。カズに代わったFW城彰二が同点ゴールを決め、延長戦の末にFW岡野雅行のVゴールで、日本はW杯の切符を手に入れた。


「日本の柱は、全3得点に絡む活躍を見せた中田英寿でした。なのに、番組はイラン戦の映像を見せながら、『エースカズを中心に攻める』とテロップを出し、『エース三浦知良を中心に試合を優位に進めると』とナレーションでつないだんです。しかも、映像はカズがフリーキック(FK)を大きく外す場面でした」(同前)


 試合前、FKのキッカーは中田か名波浩と決められていたのに、カズがチーム内の決まりを破って問題視された。これは、スポーツライター金子達仁氏の著書『決戦前夜』で明らかになった。岡田武史監督はこれに怒り、カズを交代させたという説もある。つまり、番組は「カズ絶不調」の象徴的なシーンを流して、「三浦知良を中心に試合を優位に進めると」と言ったのだ。


 なぜ、フジは事実と異なるVTRを作ったのだろうか。


■放送前のプレビューでテロップやナレーションに疑問は出なかったのか?


「映像の直後、カズがフランスW杯直前で代表を外されたシーンを流しました。その場面をより衝撃的に見せるため、イラン戦では"エース"だったと強調したかったのでしょう。放送前には『プレビュー』といって、プロデューサーや放送作家などがVTRを見ます。誰も、テロップやナレーションがおかしいと指摘しなかったのでしょうか」(民放制作スタッフ)


 この事実と違うVTRは、新たな疑惑も呼んだ。この番組は『スポーツ好き外国人1万人が選んだ 本当にすごい日本人サッカー選手ベスト10』というコーナーを中心に構成され、その合間にドーハの悲劇から前回のカタール大会までの日本代表を振り返っていた。


「『すごい日本人サッカー選手ベスト10』でカズは3位になり、その直後から日本サッカーのW杯の歴史をオンエアした。この特集は午後9時前後であり、チャンネルを他局の番組に替えさせない"9時またぎ"として使われた。VTRの前振りとして、カズが3位にさせる必要があったのでは。そんな疑念も持ってしまいます」(前出のテレビライター)


 発表された順位は以下になる。


1位・中田英寿 2位・本田圭佑 3位・三浦知良 4位・長友佑都 5位・三笘薫 6位・香川真司 7位・久保建英 8位・鎌田大地 9位・大迫勇也 10位・堂安律


■アンケートは本当に1万人に聞いたのか?


「カズは、現在海外で活躍している三笘や堂安などより上位にいますが、海外クラブでの実績が芳しいとは言えない。3位に入るほど、外国人に知名度が高いとも思えない。どうも不自然なんです。

渋谷や外国でのインタビュー映像が流れましたが、本当に1万人に聞いたのでしょうか。ネットでアンケートを集めたなら、冒頭でその説明もすべきでしょう。テレビの"ランキング"は集計方法などを明記しないケースが多々ある。せめて、どこで話を聞き、何歳から何歳までを対象にしたかテロップやナレーションで明示すべきです」(同前)


 事実と異なるVTRを流したことで、ランキング自体も怪しまれてしまう結果となってしまった。


「ランキングは本当かもしれませんが、VTRは勇足でしたね。テレビ局は自分たちの作った結論に合わせて、VTRやナレーションを構築しがちです。バラエティーなら"演出"として許されるのかもしれない。この番組は元々バラエティーですが、今回はスポーツを取り上げている。それなら、事実に忠実であるべきでしょう」(前出の民放制作スタッフ)


 カズにとっては、もらい事故である。


  ◇  ◇  ◇


 フジテレビの制作現場で一体何が起きているのか?関連記事「“女子アナ王国”崩壊! 退社の連鎖が止まらないフジテレビ局内で囁かれる『女子アナ不要論』」などもあわせてご覧ください。


編集部おすすめ