【芸能界クロスロード】
和久田麻由子(37)をキャスターに据え、4月にスタートした日本テレビ系の「追跡取材 news LOG」。放送開始から2カ月近く経った今も視聴率は3%台と低迷が続いている。
先月の定例会見で日テレの福田博之社長は「視聴率はまだまだこれからですが、“LOG”らしい視点が少しずつ見えてきた。番組の輪郭が見えてきた」と手応えを感じていたが、果たして本当に大丈夫だろうか。
3月にNHKを退局した翌月から活動を始めた和久田。期待値は高かったが、画面からはNHK時代と変わらない美貌と丁寧なしゃべり方しか入ってこない。CMがなければNHKの番組と見間違うほどだ。同番組のコンセプトは記者の取材記録、プロセスに焦点を当てたものだが、スポーツ紙の大谷翔平番記者に密着した企画など、驚きも新鮮さもない。これではTBS系の「情報7daysニュースキャスター」の牙城に迫るどころではない。見直しの必要性も出てきている。
「土曜の夜ぐらいのんびりくつろぎながら見たい」というお父さんの要望に応じた番組作りに徹したTBSとNHK並みの堅さの日テレ新番組。期待された和久田の新たな一面もいまだに見られていない。
NHK出身アナが民放に移った際、NHKでは出せなかったキャラをいかに出していくかが人気と仕事を得る近道といわれる。
古くは神田愛花。
昨年4月からフリーになり「ホリプロ」に所属した中川安奈は、ビジュアルを前面に押し出しグラドルのように活動。セクシー写真を投稿し続けるインスタの人気も高い。
女子アナ以外でも、政治記者からフリージャーナリストとして情報番組を主体に活動する岩田明子。政界の話だけでなくバラエティーに出演すれば、臨機応変に「私は婚約破棄みたいなことをいっぱいされましたよ」と過去の失恋体験を明かす。NHKでは絶対にできない話で好感度までアップさせている。
フリーになって今もっとも脂が乗っているのがNHKを退局して8年になる有働由美子だ。
和久田と同じ日テレの夜のニュース番組でキャスターとしてスタート。音楽番組も担当したが思ったほど注目されず終わった。NHK時代、朝の情報番組で見せた明るいキャラを消しキャスター意識が強すぎて個性が消されていたようだった。
そんな有働の「正しい起用法」のお手本を見せたのがテレビ朝日だった。
NHK時代からの落差が魅力になるのが民放アナとの違い。かつてフジテレビの女子アナが会社幹部から「高級なキャバ嬢」といわれたように、スキルよりキャラ売りを優先するのが民放。
対照的にNHKは女子アナキャラよりもいかに正確にニュースを伝えるかといったスキルを重視する。NHKで育った女子アナが民放に移ってからも個性をベールに包んだままでは「つまらない」と思われるのがオチ。NHKの鎧を脱ぎ個性を出すことが成功の秘訣とフリーになった先駆者は教えている。
和久田がこのままNHKで見せていた顔を貫き通すのか、それとも有働のように個性を前面に出すのか。和久田の決断やいかに──。
(ジャーナリスト・二田一比古)

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