【桧山珠美 あれもこれも言わせて】
SNSで大きな話題を呼んでいるのが6月28日に放送された「テレ東音楽祭2026夏」。他局の大型音楽特番が豪華さをアピールするのに対し、こちらは別の次元で勝負していた。
何がすごかったかというとテレビで「夢グループコンサート」を実現してみせたことだ。夢コンサートは尾藤イサオ、黒沢年雄、千昌夫、三田明、あべ静江、あいざき進也、おりも政夫、晃(元フィンガー5)、伊藤咲子……と続く。若い世代にはだれってなものかもだが、ある世代にとってはこれ以上ない豪華な夢のキャスティングなのである。
そして今回の「テレ東音楽祭」もまさに構造は同じ。4時間半の生放送で若い世代をほぼ無視してテレビがもっとも輝いていた頃に生きてきた世代だけをターゲットに作られていた。しかもいかにもテレ東っぽい。
たとえば、昭和・平成を彩り、社会現象を巻き起こした「伝説ドラマ超名曲メドレー」。他局のヒットドラマをガンガン扱うが、映像を借りられるのは一瞬であとはシュールなイラストを見せるだけのチープさ。
さらにドラマの出演者に歌わせる荒業も。
番組の目玉にしたかったと思われるのがテレビ東京初出演の長渕剛。さすがに特別扱いで別スタジオからの登場で「とんぼ」「RUN」「乾杯」を熱唱。その後のアイドルくくりでは早見優、松本伊代、アグネス・チャン、南野陽子とともに国生さゆりが登場。長渕と国生といえば、かつていろいろあった仲。同じ番組に登場し、ネットは大いにザワついた。
迷走するテレビ界に進むべき一筋の光
森高千里が「私がオバさんになっても」を歌った後に江口洋介が自身出演の缶コーヒーのCMソング「恋をした夜は」を歌うなど夫婦のニアミス演出も仕掛けた。カイヤやルビー・モレノといったお騒がせ外国人タレントが出てきたり、それから酒井法子やASKAの登場も。
テレ東の基準がわからないが、これほど目が離せず楽しめた音楽番組は久々。次回もこの路線を貫くなら視聴者から出て欲しい人を募集してみてはどうか。そもそもテレビを見ていない(と豪語する)若者世代を相手にする必要はない。
(桧山珠美/コラムニスト)

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