国会が終盤に差し掛かり、自民党が執着する皇室典範改正案は、7月10日の衆院本会議で中道改革連合が賛成に回ったこともあって可決された。麻生太郎・自民党副総裁肝いりの典範改正にメドがついたことで高市早苗首相もひと安心だろうが、浮かない顔をしているのが与党の日本維新の会だ。


 昨秋の連立合意に盛り込んだ「衆院議員の定数削減」については、吉村洋文代表が「改革のセンターピン」と言っていたのに、自民や野党の反発で頓挫。維新の悲願である「大阪都構想」を念頭に置いた「副首都」創設法案を優先することで、ある意味、「定数削減法案の断念をのんだ」(維新関係者)とされる。ところが、肝いりの副首都法案も雲行きが怪しい。


「悲願の大阪都構想実現のため、維新は特別区導入の是非を問う住民投票を道府県全域で行えると規定する付則にこだわっていましたが、自民から『憲法違反』と異論が続出。付則削除に追い込まれました。これで、都構想は頓挫必至とみられています。過去、大阪市民を対象とした住民投票で2回も否決され、今も機運が盛り上がっていないからです。大阪維新のメンバーも吉村代表に『どうするんだ』と詰め寄ったといいます」(維新の内情に詳しい政界関係者)


 “ベタ折れ”した結果、定数削減は実現できず都構想も無理筋。吉村氏の指導力不足が露呈したわけだが、この状況に怒りを募らせているのが、維新の馬場伸幸前代表だという。


「馬場さんは、大阪府知事でもある吉村さんと大阪市長が、都構想の是非を掲げて知事と市長の出直しダブル選挙に打って出たあたりから『吉村はアカン』と露骨に冷ややかな態度を取るようになった。根っこには、国会の事情も知らず、根回しナシで好き放題発言する吉村さんへの不信感がある。定数削減と都構想の失敗を受けて、馬場さんとその周辺が一気に『吉村おろし』に出るのでは、とみられているほどです」(同前)


■分裂説まで浮上


 一方、吉村代表側も馬場氏周辺をよく思っていない。

永田町で「飲み食い政治」を展開する“国会組”に眉をひそめているという。


「そんな吉村さんに、“大阪組”の若手議員はシンパシーを感じている。彼らからしたら、馬場さんらの飲み食い政治は『どこが身を切る改革やねん』と映る。永田町周辺で“国会組”と顔を合わせても、挨拶せずソッポを向いて立ち去るほど仲が悪いそう。馬場さん周辺が『吉村おろし』に出ようものなら、いよいよ党分裂もあるかもしれません」(官邸事情通)


 これが“ゆ党”の末路か。


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