【テレビ局に代わり勝手に「情報開示」】


 これ、「幸福の科学」が制作した『霊界探訪記』という番組がKBS京都や群馬テレビなど8局で放送されて、その番組の中でDVDや本の宣伝も流れたので「番組なのか広告なのか紛らわしい」ということで、BPO審議入りした件のことですよね。確かにこういう「ステマ番組」が流れてしまう背景がありまして、普通の視聴者の方には分かりにくい部分があるでしょうから説明しますね。


 この案件については、私には詳しい情報はありませんから分かりません。ただ、放送した放送局が「KBS京都や群馬テレビなど」というところに私は注目しますね。一般論ではありますが、こうした「ネットワークに加盟していない独立系放送局」の番組には、実態的には「放送枠を販売」しているのに近いものが多く存在します。「枠を売る」というと語弊があるかもしれませんが、実質的にはそんな感じのものは、残念ながらあります。


 制作会社がスポンサーを自分で見つけてきて、あるいはスポンサーが制作会社を自分で見つけてきて、「放送局にお金を支払うことで、枠を買う」ということです。こういう枠の場合には、一応放送局側のプロデューサーが立って、内容のコンプラチェックなどをしたりはしますが、非常にチェックが甘くなったりしますし、局が主体的に制作していないのに近い実態なので、視聴率のことや番組内容などにあまり口を挟めず、実質的にはほぼ「枠を買った側が好きな番組を作る」のに近い状態になりがちなのです。


 だから、宗教団体が自分たちの広報番組に近いようなものを放送している例が昔から独立系放送局ではそこそこ存在しています。企業がステマっぽい番組をやっていたりとか、あと「出演者が自分で枠を買い取って自分をアピールする番組を自由に作って放送する」みたいなことも結構よくあります。


 残念ながら独立系の放送局は営業基盤が弱く、視聴率もあまり高くありませんから、こうしたことが起こりがちではあるのですが、最近では放送局の経営環境の悪化にともなって、独立系に限らずこうした状況になりがちですよね。


 そして「番組なのか広告なのかよく分からない番組」というのは、本当はダメなんですけど昔から東京キー局も含めてかなり存在しますよね。みなさんも「あの番組って宣伝ぽいよね」というのはすぐにいくつか思い浮かぶと思います。まあ、グレーゾーンの中で収益をあげるために各局やってるわけです。

ある意味ネットより実態的には規制は緩いかもしれません。


(鎮目博道/テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人)


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