【あの頃、テレビドラマは熱かった】


「BLACK OUT」(1995年/TBS系)


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 平成という元号や消費税にも慣れてきた1995年。年明けから震災、オウムと不穏な空気が列島を包む一方で、ルーズソックスの女子高生は元気にポケベルをいじっていた。

そして当時としては記録的な暑い夏(今ほどの危険は感じなかったけど)を越えた秋には、コンビニの雑誌売り場に「Windows95」の文字が躍り出す。


 そんな95年の秋クールは、TBSが凄かった。特に金曜は9時が木村拓哉(当時23)、浜田雅功(同32)の「人生は上々だ」、10時がいしだ壱成(同20)、反町隆史(同21)、香取慎吾(同18)の「未成年」という、ぜいたくな2段積み。“国民的”になる前夜、SMAPがただのアイドルじゃないというポテンシャルを感じさせる編成だ。


 でも、この秋に僕がリアタイで見ていたのは、土曜深夜に放送されていた、椎名桔平(同31)主演の「BLACK OUT」(テレビ朝日系)。金曜深酒からの二日酔いがさめたころ、ローソファに寝そべって見るのにちょうどよかった。演出・落合正幸、音楽・蓜島邦明という、「NIGHT HEAD」(92年フジテレビ系)のコンビがツボだったっていうのもある。


「BLACK OUT」は、渡辺浩弐が「週刊ファミ通」に連載していた「1999年のゲーム・キッズ」を原案にした、近未来SF。1999年に警視庁に設置された、ハイテク犯罪を専門に扱う捜査チームに所属することになった物理学者が、椎名桔平の役どころ。その相棒山本未來(同21)。そうそう、高島礼子(同31)がマッシュルームカットで解剖フェチの法医学者だった。


 変わり者の物理学者と、ちょっと猪突猛進系の刑事……というと、2007年の「ガリレオ」(フジ系)っぽいかも。

で、このコンビが「DNA」とか「プラズマ」とか「ウイルス」とかを扱った犯罪に立ち向かうという話。見ていた割には細かい部分は覚えてないけど、椎名桔平が何の脈絡もなくテルミンを演奏してた。


 そういえば、このドラマを見ていたテレビは、目の付けどころがシャープなあの会社の「レタービジョン」だった。横長のブラウン管で、文字放送が簡単に出せるやつ。遊びに来た友達に「いつでもニュースのテロップが出るんだぜ」なんて自慢したけど、「邪魔」「別に最新の情報じゃないじゃん」なんて言われた。


 昭和の残像と、新世紀の予感がいろんなところで混じっていた95年。「BLACK OUT」が描いた近未来の99年が今では大昔といえるほどいろいろ進化した。でもドラマが面白いと思うツボって、そんなには変わっていないような気もする。


(テレビコラムニスト・亀井徳明)


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