【今週グサッときた名言珍言】


「ストレスを全部顔で発散する」
キンタロー。

テレビ朝日系「島田珠代×キンタロー。トンチキ保健室」7月13日放送)


  ◇  ◇  ◇


 前田敦子のモノマネでブレークし、アンジェリーナ・ジョリー、ドッスン、ねぶた、北京オリンピックで見た天才子供トランペッターなど、振り切ったモノマネ芸で人気のキンタロー。(44)。彼女が緊張を和らげる方法として答えた一言を今週は取り上げたい。思い切り変顔をして「いったん全部出すと、我に返っちゃう」のだという。


 もともとは、極度の人見知りだった。小学校低学年までは友だちづくりにも苦労した。小3のとき、担任の教師が突然「5匹のこぶたとチャールストン」という曲をかけて、「踊ってみろ」と児童たちに呼びかけた。そのとき、女子では彼女だけが一心不乱に踊り、笑いがドッと起きて「快感」だった。一気に友だちも増え、クラスの人気者になった。それが「面白い私でいると、こんなに生きやすくなるんだ」(フジテレビ系「久保みねヒャダ こじらせナイト」26年7月4日放送)と、成功体験として刻まれた。


 このころ、父は双極性障害を発症し、母が献身的にサポートしていた。

だが、彼女が26歳の時に母が急死。父はそのショックで病状が悪化したため、彼女は地元に戻りOLをしながら父の介護をしていた。そして、介護が一段落した29歳の時、やはり子供の頃から夢だった、お笑い芸人になりたいという思いが大きくなり、上京して芸人となった。


 すると芸歴わずか1年目で前田敦子のモノマネでブレーク。だが、実はこのブレークから1~2年が一番ツラかった時期だったという。


「強いやっかみもあり、周りからはあることないことを色々言われました。すごく落ち込んで、完全に人間不信になっていました」(光文社「STORYweb」24年3月15日)


 また、「同じことをずっとするのが苦手な性格」(ローソンエンタテインメント「クランクイン!」26年2月11日)と言う彼女は、前田敦子モノマネのインパクトが強すぎて苦しんだ時期もあった。けれど、話題になったものをいち早く強烈な顔力でモノマネすることで、「前田敦子しかやってない」というイメージを払拭することができた。


 一方で、「モノマネ界隈で一番炎上すると言われてます」(テレビ朝日系「島田珠代×キンタロー。 トンチキ保健室」26年6月29日放送)と言うように、炎上することも少なくない。それでもキンタロー。は、片岡鶴太郎の名言「心が楽しめと言っている」を大切にしているという。


 つまり、自分の心が躍ることを後先考えずにやる。それで失敗することがあっても仕方ない。「やりたいからやる」(同前)。そのシンプルな動機こそが、キンタロー。の強さなのだ。


(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)


編集部おすすめ