夏ドラマの“本命”「VIVANT」第2シーズン(TBS系=日曜夜9時)が、一番遅い7月26日にスタート。平均視聴率の世帯18.8%、個人12.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は、2ケタさえ珍しい中で文句なしのぶっちぎり発進だった。


「破格の高予算で、2クール放送というのも異例。放送前の番宣はもう、絶対コケさせないという姿勢で、“圧”さえ感じるほどでした。こうして頭ひとつ抜けるドラマは、さらに祭り的要素も加わりますから、まずはひと安心といったところでしょう」(広告代理店関係者)


 一方、業界関係者の間で前評判が高かった蒼井優(40=写真)主演「Tシャツが乾くまで」(同=金曜夜10時)はこれまで3話が放送され、いずれも6%台だ。


「2022年に話題を呼んだ『silent』(フジテレビ系)の生方美久さんが初のTBS金曜ドラマ枠で脚本を担当するということや、蒼井さんが18年ぶりの地上波連ドラ主演ということで注目されています。こちらはリアタイ視聴よりも配信でじっくり見たいという層が主体なので、視聴率はそれほどでもありませんが、配信でも視聴数が金曜ドラマ史上最高ペースと報じられるなど好調のようですね」(テレビ誌ライター)


「Tシャツが乾くまで」は、ある事故に巻き込まれた2組の夫婦の“愛”と“秘密”を描くオリジナルストーリー。SNS上では《生方脚本らしい会話劇とキャストの演技力に引き込まれる》《説明しすぎない独特の余白と考察要素にハマる》といった肯定派の声が目立ち、《なんとなく暗いし情報量が多すぎる》《何を見せたいのかが分かりにくい》といった否定派よりもやや優勢。思わぬ展開に“考察”も盛り上がっているようだ。


 テレビコラムニストの亀井徳明氏は「連ドラ本来の楽しみ方が味わえる作品だと思う」と、こう続ける。


「学園ドラマとか、刑事ドラマとか、恋愛ドラマとか、そういう明確なジャンルでひと言で説明できないのも魅力。その分、他人に面白さを説明するのが難しいですけど、それがドラマ好きのツボを押す要素になっています。第3話でサスペンス寄りの雰囲気になりましたけど、いわゆる“伏線を見つけて展開を予測する”というような考察サスペンスではなく、“あれってどういう意味だったんだろう”“どうなっちゃうんだろう”という感じで素直に流れに身を委ねたいタイプの作品。これって、連ドラ本来の快感だと思うんですよね」


 亀井氏は第1話を見たときに、1977年に放送され、今年4月に舞台化もされた山田太一脚本の名作「岸辺のアルバム」(TBS系)を思い出したという。


「『岸辺のアルバム』は水害をきっかけに家族の秘密が明らかになっていく話ですが、『Tシャツが乾くまで』もバスの事故をきっかけに夫婦の秘密が明かされるので、そう思いました。もちろん同じように話が進むわけではないので、“ちょっと雰囲気が近いかな”というだけですけど。でも、これまでの生方脚本とは違う、TBSのコントロールが効いたものになりそうです。生方さんが得意とする、感性が世間一般の尺度から見たら少数派キャラは全部、高橋文哉さんの“直人”に集約させつつ、軸となる物語を淡々と、かつ大胆に動かしていくのは“ドラマのTBS”ならでは、だと思います」


《今期ナンバーワン》《絶対何か賞を取ると思う》という書き込みも見られる「Tシャツが乾くまで」。TVerの登録数もすでに110万を超え、レビューサイトFilmarksの評価も平均3.9と、派手な「VIVANT」の4.1に迫る高評価だ(7月31日現在)。「ドラマのTBS」は「silentの生方美久」を新たな境地に覚醒させられるか。


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